投資信託とは？仕組みとメリット、デメリットを初心者にもわかりやすく解説

「投資信託をやってみたいけど、どうやって始めるかわからない」と感じている方は多いです。投資信託は一見難しそうですが、少額から始められ、専門家に運用を任せられます。投資信託は歴史ある金融商品で分散投資ができるため、リスクを抑えながら資産運用をスタートするのにおすすめです。

この記事では、投資信託の基本からメリット・デメリットや種類、選び方、始め方まで解説します。記事を読めば、投資信託が自分に合っているかどうか判断できます。

投資信託とは複数の投資家から資金を集めて専門家が運用する金融商品

投資信託は、多くの投資家から集めた資金を専門家が運用する金融商品です。

投資信託について以下を解説します。

投資信託の歴史と背景

投資信託は19世紀後半にイギリスで初めて誕生しました。多くの投資家が資金を集めて運用するという新しい形の金融商品として注目されます。1930年代に設立された証券取引委員会(SEC)によって規制が強化され、安全性と透明性が高まり、信頼性が向上しました。

日本では、1941年に投資信託が導入されました。1990年代にはバブル崩壊後の金融改革により、多様な投資信託商品が登場します。インターネットを利用したオンライン取引が普及し、個人投資家もアクセスできるようになりました。環境や社会、テーマ型ファンドなど、現代のトレンドに対応した商品も増えています。

投資信託の仕組み

投資信託は多数の投資家から資金を「ファンド」として集め、専門家が運用する金融商品です。少額からでも投資でき、専門家が株式や債券、不動産などに資金を分散投資してリスクを低減します。投資家は、運用成果に応じて分配金を得られます。信託銀行が資金を保管し、販売会社を通じて購入可能です。

投資判断は運用会社が行い、信託報酬や手数料が発生することがあります。投資信託の種類もさまざまなので、特性を理解して投資目的や手数料、サポート体制を考慮して選ぶことが重要です。

投資信託には以下の2種類があります。

オープン型はいつでも購入や解約ができ、流動性が高いです。クローズド型は特定期間にのみ購入・解約が可能で、運用期間が終了するまで資金が固定されます。投資信託の価格は「基準価額」と呼ばれ、毎日の運用資産の時価総額にもとづいて変動します。分配金は再投資することも可能です。

投資信託の構成要素(販売会社・運用会社・信託銀行)

投資信託の構成要素には、販売会社と運用会社、信託銀行の3つがあります。

それぞれの役割は以下のとおりです。

3つの構成要素が互いに連携することで、投資信託は成り立っています。各要素が持つ役割を理解することが、投資信託を利用する上で重要です。

投資信託のメリット

投資信託のメリットは以下のとおりです。

投資信託のメリットを知ることで、理解を深めた上で投資を始められます。

少額から投資できる

投資信託の大きな魅力の一つは、少額から投資できる点です。数百円から投資可能な商品が多いため、大きな資金を準備しなくてもスタートできます。定期積立プランを利用すれば、毎月少額をコツコツと積み立てられ、長期的な資産形成が期待できます。定期積立による予算化やリスク管理がしやすいです。

分散投資でリスクを抑えられる

分散投資でリスクを抑えられる理由は、異なる資産クラスに分散することでリスクを低減できるからです。地域別や業種別に分散投資を行うことで、特定の企業や業界への依存度が軽減されます。国内株式だけでなく、海外株式や債券、不動産などにも分散投資すれば、他の投資でカバーすることが可能です。

投資先を多様化することで、市場の変動に対する耐性が高まります。個別銘柄のリスクは全体で分散されるため、特定の銘柄が大きな損失を出してもポートフォリオ全体への影響を抑えやすくなります。

運用をプロに任せられる

投資信託の運用をプロに任せられるのも大きなポイントです。専門家が資産を運用するため、知識や経験が少ない方でもリスクを抑えつつ投資を始められます。

投資先の選定やリバランスなどの運用業務を引き受けてくれるので、個人で行うよりも効率的で戦略的な運用が期待できます。忙しくて時間が取れない方でも、手軽に投資を続けられるのが特徴です。

投資信託のデメリット

メリットがある一方で、投資信託にも以下のようなデメリットがあります。

デメリットを理解した上で、投資信託を利用するかどうかを判断しましょう。

元本割れのリスクがある

投資信託には元本割れのリスクがあります。市場の変動や投資対象の企業・国の業績不振、為替リスクなどが原因となるからです。経済全体の景気が後退すると、投資信託の価値が下がります。信託報酬や販売手数料がかかるため、投資した金額よりも少ないリターンになる可能性があります。

手数料やコストが発生する

投資信託で発生する主な手数料やコストは以下のとおりです。

投資信託を選ぶ際には、手数料やコストをよく確認しましょう。手数料やコストを抑えることで、長期的な運用成果が向上します。

運用成績が市場環境に左右される

運用成績は市場環境にも大きく左右されます。経済の景気変動や特定のセクター、地域の経済状況が投資信託のパフォーマンスに直接影響を与えるためです。

経済状況の変化は市場環境に以下の影響を与えます。

金融市場のボラティリティも運用成績に与える影響は大きいです。市場が安定しているときは投資信託の成績も安定しますが、急激な株価変動があると成績も揺れ動きます。運用成績は多くの外部要因に影響されることを理解しておきましょう。

投資信託の種類

投資信託には、以下のような種類があります。

運用方法だけでなく、投資対象や募集方法でも分類されます。種類を理解して、自分の投資目的やリスク許容度に合わせた投資信託を選びましょう。

アクティブファンド・パッシブファンド

アクティブファンドは、運用者が市場を上回るリターンを目指して積極的に銘柄選定と売買を行います。高リターンを狙える可能性がありますが、運用手数料が高くなる傾向です。運用者の腕次第で成績が大きく変動するため、リスクも高まります。

パッシブファンドは市場全体の動きを反映するインデックスに連動した運用を行います。手数料が低く、安定的な運用が可能です。市場の平均的なリターンを狙うため、リスクが分散されやすく、長期的な資産形成に向いています。

公募投資信託・私募投資信託

公募投資信託は一般の投資家に広く販売されていることが特徴です。証券会社や銀行を通じて購入でき、情報開示が義務付けられているため透明性が高いです。最低投資金額も低いので、少額から投資を始められます。

私募投資信託は特定の投資家を対象に限定して販売されます。情報開示義務が緩く、透明性が低いのが特徴です。最低投資金額が高く、主に機関投資家が対象となります。それぞれの投資目的や投資金額、情報開示の透明性を考慮することが重要です。

投資信託の選び方

投資信託を選ぶ際には、以下の重要な3つのポイントを押さえておきましょう。

選び方を理解することで、自分の投資スタイルや目的に合った投資信託を選べます。

投資目的に合わせて選ぶ

目的に応じた選び方をすることで、期待通りの成果を上げやすくなります。投資目的に合ったおすすめのファンドは以下のとおりです。それぞれ注意点も確認しましょう。

自身の投資目的を考えて、目的に合わせて選びましょう。

手数料やコストで選ぶ

投資信託を選ぶ際は、手数料やコストも重要です。

手数料やコストの中には、以下のような費用が発生することがあります。

投資信託を選ぶ際には、手数料やコストを慎重に比較することが重要です。手数料やコストを抑えることで、より効率的な投資が可能になります。

サポート体制で選ぶ

初めて投資をする方にとって充実したサポート体制があると、より安心して投資ができます。24時間対応のカスタマーサポートがあるかどうかは重要です。専門のアドバイザーに相談できるかも確認しましょう。

リアルタイムで疑問を解消できるチャットサポートがあると便利です。セミナーや勉強会などの教育サポートがあるかどうかも大切なポイントです。定期的に開催されるセミナーや勉強会は、最新の投資情報やノウハウを学ぶ良い機会になります。

投資信託の始め方

投資信託を始めるには、投資目的を明確にすることが重要です。なぜ投資をしたいのか、具体的な目標や期間を設定しておくことをおすすめします。老後資金や子供の教育費など、目標が明確であれば選択もスムーズになります。

投資信託を始める際のステップは以下のとおりです。

新NISA(少額投資非課税制度)を活用する

2024年から新制度となったNISAは非課税枠が増額されました。成長投資枠と積立投資枠の合計で最大年間360万円まで非課税です。非課税期間も無期限に変更されており、新NISAを活用することで、長期的な資産形成がより一層しやすくなります。

投資可能な金融商品は以下のとおりです。

新NISAで投資信託や株式、ETFなどの金融商品に投資する場合、通常は税金がかかる運用益や配当金が非課税になります。元本が増えた場合でも、増加分に税金はかかりません。新NISAは少額から始められるため、初めて投資をする方にもおすすめです。
» 新NISAとは？特徴とメリット、デメリットを解説！

iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用する

iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用すると、老後資金を効率的に積み立てられます。税制優遇が大きな特徴で、掛金は全額所得控除の対象です。運用益が非課税で再投資されるため、複利効果も期待できます。60歳以降に受け取る際、一時金または年金形式で受け取れるので、ライフプランに合わせて柔軟に対応可能です。
» 複利を理解しよう！簡単な計算と効果を最大化する方法

一時金での受け取りは「退職所得控除」年金での受け取りは「公的年金等控除」が適用されます。iDeCoは、自営業者やフリーランスも加入でき、掛金の上限は職業により異なります。60歳までは、積立運用した掛金を原則引き落とせず、資金拘束されてしまう点には注意しましょう。
» 新NISAとiDeCoの違いとそれぞれ向いている人を解説！

一般投資枠で購入する

一般投資枠は、資産運用の自由度が高いことが大きなメリットです。自分で選んだ証券会社や銀行を通じて、投資信託を選べます。一般投資枠は購入金額に制限がないので、ライフステージや資産状況に合わせた投資が可能です。注意点としては、売却時に利益が出ていると税金がかかることです。

まとめ

投資信託は、少額から投資でき、分散投資でリスクを抑えられる大きなメリットがあります。運用をプロに任せられる点が初心者にとって魅力的です。元本割れのリスクや手数料、運用成績が市場環境に左右される点もあるので注意が必要です。

投資目的や手数料、サポート体制などを考慮して選びましょう。新NISAやiDeCoなどの制度を活用することで、税制面でも有利です。投資の基本を理解し、慎重に進めることで、効果的な資産運用が可能になります。
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