高配当株は、投資を始める際に魅力的に見えますが注意が必要です。高配当株投資には多くのリスクがあり、全ての人に向いているわけではありません。本記事では、高配当株投資をおすすめしない理由や、向いていない人の特徴を詳しく解説します。
記事を読むことで、高配当株投資のメリットとデメリットを理解し、投資戦略を選ぶための判断材料が得られます。
高配当株はおすすめしないと言われる理由3選

高配当株は魅力的に見えますが、以下の理由からおすすめしないと言われることがあります。
- 配当金の減配リスクがある
- 値上がり益や売却益を狙いにくい
- 企業が配当を必ず株主に還元するわけではない
投資判断の際は、配当以外の要素も考慮して総合的に評価することが重要です。
配当金の減配リスクがある
高配当株投資は、配当金が減らされるリスクが伴います。企業の業績が悪化すると、予定されていた配当金が減らされることがあります。配当金減配のリスクについての注意点は以下のとおりです。
- 経済状況の変化で配当が支払われない場合がある
- 企業の業績悪化で配当金が減らされる可能性がある
- 過去の配当実績は将来の配当を保証しない
配当金が減らされたり支払いが中止された場合、株価が下落することがあるため投資家にとって二重の損失となります。配当金の支払いは法的義務ではないため、企業の財務状況や経営判断によって配当が予定通り行われないと認識しておきましょう。
高配当株を選ぶ際には、企業の財務健全性や将来の見通しを十分に検討することが重要です。
値上がり益や売却益を狙いにくい
高配当株は、値上がり益や売却益を得るのが難しいという特徴があります。株式を発行する企業の多くが成熟した企業であり、急速な成長が期待しにくいためです。高配当株は配当金を重視する結果、企業の成長性や将来性を軽視しがちです。株価の大幅な上昇は期待できません。
高配当企業はすでに市場で評価されていることが多く、今後の値上がりを期待するのは難しいです。値上がり益を得るには、長期的な保有が必要になる場合があります。投資目的やリスク許容度を考慮し、慎重に判断することが重要です。
企業が配当を必ず株主に還元するわけではない

企業は利益を必ずしも配当として株主に還元するわけではありません。利益が配当以外の用途に使われることもあるためです。企業が利益を配当として還元しない理由は以下のとおりです。
- 設備投資や研究開発に資金を使う
- 事業拡大のための投資を行う
- 自社株買いを実施する
- 成長戦略で内部留保を優先する
経済環境の変化や業績の悪化によって、企業は配当を減額したり停止したりすることがあります。企業は存続を優先するため、株主の期待に必ずしも応えないことがあります。企業は短期的な株主還元よりも長期的な企業価値の向上を重視することが多いです。
投資家は企業が常に配当を通じて利益を還元するとは限らないことを理解する必要があります。経営方針や財務状況を十分に考慮して投資の判断をしましょう。
おすすめしない高配当株の特徴

高配当株の中には投資リスクが高い銘柄があります。配当利回りが極端に高いことや配当性向が100%を超える、業績が悪化している、急激な配当額の増加などは危険信号です。負債比率が高いことやフリーキャッシュフローがマイナス、業界が衰退傾向にあるなどの特徴を持つ高配当株も避けるべきです。
将来的に配当減少や株価下落のリスクが高くなります。
配当利回りが高すぎる
配当利回りが高すぎる企業は、投資の際に注意が必要です。一般的に5%以上の配当利回りは要注意です。高すぎる配当利回りは、企業の財務状況が悪化している可能性を示すことがあります。以下のポイントを考慮して慎重に検討しましょう。
- 成長投資を控えている可能性
- 株価下落による見かけ上の上昇
- 一時的な高配当
高配当利回りの企業を選ぶ際には、業界平均との比較や過去の配当実績の確認、高い利回りの理由を分析することが重要です。配当利回りだけでなく、企業の財務状況や将来性を総合的に考慮して投資判断を行うべきです。異常に高い配当利回りは、リスクの兆候である可能性もあります。
投資家は高い配当利回りに惹かれるだけでなく、背景にある企業の状況を慎重に分析する必要があります。配当利回りは企業の健全性を示す一つの指標ですが、投資判断を行う際には総合的な分析が欠かせません。
配当性向が100%以上ある
配当性向が100%以上ある企業は、利益以上の配当を行っている状態です。財務的に持続可能でない可能性が高く、将来的に減配や配当停止のリスクが高くなります。企業が利益を超えて配当を続けることは、長期的には難しいため、投資家にとって危険信号です。以下の問題が発生することがあります。
- 企業の成長投資が滞る
- 財務健全性が損なわれる
- 長期的な株価パフォーマンスが悪化する
一時的な特別配当や資産売却による配当の場合もあるので、一概に悪いとは言えません。投資家は企業の財務状況や将来の成長性を慎重に評価する必要があります。配当性向が100%を超える企業に投資する際は、企業の将来性や財務状況をよく調べることが大切です。
安定した配当を長期的に受け取りたい場合は、配当性向が適切な水準にある企業を選ぶことをおすすめします。
中長期的な業績の悪化や赤字が続いている

中長期的な業績の悪化や赤字が続いている企業の高配当株は、投資対象として避けるべきです。将来の配当を維持するのが難しい可能性が高いからです。過去数年間、売上高や利益が減少している企業が該当します。営業利益や当期純利益が赤字続きの企業、主力製品やサービスの競争力が低下している企業も可能性があります。
配当を維持するために無理をすることがありますが、長期的には持続不可能です。業界全体に構造的な問題があり、将来的な業績回復の見通しが立ちにくい場合も注意してください。市場シェアが低下し続け、設備投資や研究開発費の削減が続いている企業も多く見られます。財務状況の悪化は重要な指標です。
負債比率が高く、キャッシュフローが悪化して手元資金が減少している企業は注意してください。配当の支払いを維持するのが困難になる可能性が高いです。
急に配当額が増えている
急に配当額が増えている企業の株式には注意が必要です。配当額の急増は一時的な業績の改善や特別な事情によるものであり、長期的な安定性を示すものではありません。急激な配当増加のリスクと注意点は以下のとおりです。
- 一時的な業績の改善
- 特別な事情による増配
- 株主還元策の一環
配当額が急増している場合、他の財務指標や業績、長期的な配当政策、経営陣の判断の妥当性を確認することが重要です。企業の成長投資や財務健全性に問題がないかを見極められます。企業の株式を購入する際には、慎重な判断が欠かせません。
高配当株投資をおすすめしない人の特徴

高配当株投資は、全ての投資家に適しているわけではありません。株価の成長を重視する人や短期的に大きな利益を望む人、余剰資金が少ない人には向いていません。銘柄分析が面倒な人やリスクを好まない人にもおすすめできません。長期的な視点と十分な資金、銘柄分析の労力を惜しまない投資家に適しています。
株価の成長を重視する人
株価の成長を重視する投資家にとって、高配当株は最適な選択肢ではありません。企業の成長や株価の上昇による利益(キャピタルゲイン)を求めているためです。イノベーションや新規事業の展開に積極的な企業、事業拡大のために利益を再投資する企業を高く評価することが多いです。
以下の特徴を持つ企業や投資戦略に注目する人が該当します。
- 高成長セクターや新興企業
- PERやPBRなどの成長指標
- 株価のモメンタムや上昇トレンド
- 技術革新や市場シェア拡大の可能性
株価の成長を重視する投資家は、配当による利益よりも株価が上がることで得られる利益を期待しています。高配当株は魅力的な選択肢になりません。
短期的に大きな利益を望む人
高配当株投資は、短期的に大きな利益を求める人には向いていません。高配当株は一般的に安定した業績を持つ成熟企業が発行しており、急激な成長や株価の大幅な上昇を期待するのは難しいです。短期的な値上がり益を狙う投資家には適していません。
高配当株は長期的な安定した収益を狙う投資戦略に適しています。短期的な利益を求める投資家にとっては、デメリットとなるため高配当株はおすすめできません。
投資に使える余剰資金が少ない人

投資に使える余剰資金が少ない人には、高配当株投資はおすすめできません。少額投資は配当金額が小さくなるため、期待していた収入を得るのが難しいためです。少額投資はリスク分散が難しく、特定の銘柄に依存することになります。配当金の再投資も難しくなり、複利効果が活かせません。
少額投資では手数料の影響が大きくなりがちで、長期投資を続けるのが難しくなります。短期的な売買に走りやすくなる傾向があります。投資資金に余裕がない場合は、高配当株投資以外の選択肢を検討することが賢明です。少額から始められる投資信託や、リスクの低い債券投資などが適している可能性があります。
銘柄を分析するのが面倒だと感じる人
銘柄の分析が面倒だと感じる人には、高配当株投資はおすすめできません。高配当株を選ぶ際に企業の財務状況や業績の推移、将来性、配当の持続可能性などを詳しく分析する必要があるためです。時間と労力がかかり、企業の財務諸表を読むスキルも必要です。
複雑な投資指標や経済指標を理解するのが難しい人や、多くの銘柄を比較するのが煩わしいと感じる人には向きません。継続的に市場動向をモニタリングし、最新の情報を収集することが負担に感じる場合もあります。
分析の手間を避けたい人は、投資信託などが向いています。個別銘柄の分析をする必要がなく、分散投資のメリットを享受しやすいからです。
【知らなきゃ損】高配当株投資のメリット

高配当株投資の主なメリットは、定期的なインカムゲインが得られることです。投資初心者にも取り組みやすいというメリットもあるので解説します。
定期的なインカムゲインを得られる
定期的なインカムゲインを得られることは、高配当株投資の大きな魅力です。配当金により定期的に収入を得られ、安定した資産運用ができます。インカムゲインのメリットは以下のとおりです。
- 四半期や半期ごとの配当金受取
- 株価変動に左右されにくい収入源
- 長期保有での複利効果
定期的な配当収入は、将来の生活設計にも役立ちます。退職後の生活資金として活用でき、インフレ対策にも有効です。配当金の受取時期が予測しやすいため、資金計画を立てる際にも便利です。配当金が減額されることや企業の業績が悪化するリスクもあるため、投資を始める前に十分な理解が欠かせません。
投資初心者でも取り組みやすい
高配当株投資は、投資初心者にも取り組みやすい方法の一つです。株価の変動が比較的小さく、長期保有を前提としているからです。初心者でも取り組みやすい理由として、以下が挙げられます。
- 定期的に配当金が得られる
- 株価が下がっても配当の可能性がある
- 短期的な値動きを気にする必要が少ない
- 業績が安定した優良企業が多い
高配当株投資は定期的な収入として配当金を受け取れるため、株価が下落しても収入を得られる可能性があります。優良企業が多く、企業の業績が安定しているため企業分析も比較的簡単です。ETFなどを利用すれば個別銘柄の選択が不要になり、複数の銘柄に分散投資することでリスクを抑えられます。
配当金を再投資することで複利効果も期待でき、長期的に資産が成長する可能性があります。投資を始める際には配当利回りだけでなく、企業の財務状況や将来性をしっかりと考慮してください。異なる業界の株式を選ぶことでリスクの分散も可能です。
初心者向け!高配当株投資におすすめのネット証券2選
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【失敗回避】高配当株を選ぶ際の注意点


高配当株を選ぶ際は、以下のポイントを押さえて、配当利回り以外の要素も考慮することが重要です。
- 配当利回り以外も考慮する
- 異なる業界のものを選ぶ
- 累進配当株を選ぶ
投資目的や運用方針との整合性も確認しましょう。
配当利回り以外も考慮する
高配当株投資を成功させるためには、配当利回りだけでなく企業の総合的な評価が重要です。評価の際に注目すべきポイントは以下のとおりです。
- 企業の財務状況と業績の安定性を確認する
- 負債比率や自己資本比率をチェックする
- 営業キャッシュフローの健全性を確認する
- 配当性向が持続可能な水準か判断する
- 株価のPERやPBRを使って評価する
配当性向が100%を超えている場合は、長期的に配当を維持できない可能性があります。過去の配当実績や増配の傾向も重要な指標です。安定した配当や増配を続けている企業は、株主還元に積極的な姿勢があります。成長が見込める企業は、将来的に配当を増やす可能性が高いです。
業界動向や競合他社との比較も欠かせません。同業他社と比べて優位性のある企業を選ぶことで、長期的な成長が期待できます。経営陣の配当政策や株主還元への姿勢も確認することをおすすめします。株主重視の経営方針を持つ企業は、安定した配当を維持する可能性が高いです。
安定した高配当株投資には総合的な判断が欠かせません。
異なる業界のものを選ぶ


異なる業界の銘柄を選ぶ高配当株投資は、リスクを分散させる効果的な方法です。分散投資はポートフォリオの安定性を高め、特定の業界に偏らないことで業界全体の不振による影響が減らせます。自動車業界にのみ投資している場合、業界が不振に陥ったときに大きな損失を被る可能性があります。
自動車業界に加えて以下などに投資していると、一つの業界の不振を他の業界の好調さで補いやすいです。
- 製造業
- サービス業
- 金融業
- IT業
- エネルギー業
異なる業界の銘柄を組み合わせて、景気変動や経済情勢の変化に対する耐性を高めましょう。業界の特性や強みを活かした多角的な投資戦略が可能になります。
累進配当株を選ぶ
累進配当株は、長期的に安定した配当収入を得たい投資家に適しています。配当を継続的に増やす企業が発行しているため、安定した収入が期待しやすいです。累進配当株を選ぶ際に注目すべきポイントを示します。
- 過去5年以上連続増配
- 安定した業績と健全な財務状況
- 適度な配当性向
- 成長性のある業界や事業モデル
- 株主還元に積極的な経営陣
条件を満たす企業は、将来的にも配当を増やす可能性が高いです。過去の配当実績を確認し、長期間増配している企業を探してください。企業の財務状況や業績の安定性も確認し、安定した利益を上げているかを見極めましょう。配当性向が適度な範囲内(30〜60%程度)にある企業は、配当の持続可能性が高いです。
成長性のある企業は、将来の配当増加が期待できます。累進配当株を選ぶ際は、「配当貴族」や「配当王」として知られる企業にも注目しましょう。長期間にわたり安定した配当を続けてきた実績があるからです。
まとめ 1株から購入できるネット証券を使って高配当株を買ってみよう!


高配当株投資は、いくつかのリスクと注意点があります。配当金の減配リスクや株価の値上がり益が制限される可能性、企業の配当方針の不確実性などが挙げられます。定期的なインカムゲインを得られることや、初心者にも取り組みやすいことがメリットです。
高配当株を選ぶ際には配当利回りだけでなく、企業の財務状況や業績をよく考慮することが重要です。異なる業界の銘柄に分散投資することでリスクを抑えたり、安定して配当を増やし続けている累進配当株を選ぶことを検討しましょう。
投資を始める前に投資目的や資金状況を見極め、リスクとメリットを理解することが大切です。高配当株投資が自分に適しているかを慎重に判断し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けましょう。