「証券会社が倒産したら、せっかく積み立てたお金はどうなるの?」
「分別管理って聞いたことがあるけど、具体的にどう資産が守られるの?」
「新NISAで長期投資を考えているけど、途中で万が一があったらどうしよう…」
これらの悩みが解決できます。

でも、そんな心配は不要です。証券会社が倒産しても、あなたの資産は法律と制度でしっかり守られています。
この記事では、証券会社の倒産時にどう資産が守られるのか、その仕組みや制度についてわかりやすく解説しています。分別管理制度や投資者保護基金の安心材料についても、初心者にも理解しやすいように説明しています。
この記事を読み終える頃には、「証券会社が倒産しても大丈夫!」と自信を持って新NISAで資産運用を始められるようになります。不安を手放して、安心して将来の資産形成に向けて前向きに行動していきましょう。
証券会社が倒産した場合の流れ


証券会社が倒産した場合の流れは、以下のとおりです。
- 破産管財人が選任される
- 顧客に通知が来る
- 顧客が返還手続きを行う
- 法律にもとづき返還が進められる
» 証券口座とは?基本的知識と自分に合った口座選びのポイント
破産管財人が選任される
破産管財人の選任は、証券会社が倒産した際に行われる最初の手続きです。裁判所が破産管財人を選び、公平な立場で顧客の利益を守る役割を担います。破産管財人が選任された時点で、証券会社の倒産処理が正式に始まります。
破産管財人の業務は、財産の管理と処分、返還手続き、顧客資産の保全の3つです。破産管財人は、破産手続きを進めながら債権者集会を開き、手続きの進捗を報告します。
顧客に通知が来る
破産管財人からの通知は、証券会社の倒産手続きにおけるさまざまな内容が記載されています。内容は、以下のとおりです。
- 破産手続きの開始日
- 顧客資産の返還方法
- 返還請求の期限
- 必要書類の一覧
顧客は通知を受け取った後、速やかに内容を確認し、指示に従って対応します。通知に記載された期限内に必要書類を提出しないと、資産の返還が遅れる可能性があるため、注意が必要です。通知の送付方法は、郵送か電子メールを選べます。確実に通知を受け取るために、連絡先は常に最新の情報にしておきましょう。
顧客が返還手続きを行う


返還手続きは、破産管財人の指示に沿って顧客が行います。個人情報や口座情報、取引履歴など、必要な書類を準備し、指定された期限内に提出しましょう。提出後、破産管財人が顧客の資産や取引履歴を確認し、返還可能な資産を確定します。顧客には返還額が通知され、指定された方法で返還を受けられます。
銀行振込や現金書留などを指定できますが、時間がかかる場合があるので注意が必要です。複雑な案件や多数の顧客がいる場合は、手続きが長引く可能性があります。不明点がある場合は、破産管財人や投資者保護基金へ問い合わせると対応可能です。
法律にもとづき返還が進められる
証券会社が倒産した場合、顧客の資産は金融商品取引法にもとづいて優先的に返還されます。分別管理が適切に行われている資産は全額返還されますが、管理が不十分だった場合は按分(※)されるため注意が必要です。手続きが始まると、破産管財人によって顧客資産の特定と評価が行われます。
返還可能な資産が確定すると、公平な手続きのもと、返還が実施されます。返還されない部分は、投資者保護基金による補償が適用される仕組みです。法律にもとづき、顧客の資産は可能な限り保護されますが、すべての資産が保証されるわけではないため、注意しましょう。
※ 按分(あんぶん)とは、金額や数量を決められた割合で分けることです。費用や利益を公平に分けるときに使います。
【補償制度】証券会社が倒産した場合


証券会社が倒産した場合の補償制度は、以下のとおりです。
- 分別管理
- 投資者保護基金
» 証券口座開設におけるリスク|証券会社を上手に選んで対策しよう!
分別管理
分別管理は、顧客の資産と証券会社の財産を分けて管理する仕組みです。証券会社は、顧客の資産を自社の財産と混同せず、信託銀行などの外部機関へ保管することが義務付けられています。顧客資産の勝手な運用や、経営リスクを負わせることはありません。管理は、法律にもとづいて厳格化されています。
監査機関や金融庁などによる監査も行われ、違反があれば厳しく指導されます。証券会社が万が一破綻しても、分別管理された資産が証券会社の借金返済には使われないので、安心してください。
投資者保護基金
投資者保護基金は、証券会社が破綻した際に1人当たり最大1,000万円まで補償する制度です。「日本投資者保護基金」が運営しており、証券会社が会員として負担金を拠出しています。分別管理で保護されない資産が対象となり、現金や有価証券の返還請求権を補償します。補償の対象は、一般の投資家や中小法人です。
証券会社の破綻から1年以内が、補償の申請期限です。補償金の支払いは、破綻から約3か月後に実施されます。2022年3月末時点で、投資者保護基金は約6,800億円の資金を保有しており、制度の安定性が確保されています。
証券会社が倒産した場合の分別管理対象の資産


証券会社が倒産した場合の分別管理対象の資産は、以下のとおりです。
- 株式
- 投資信託
- 預かり資金
株式
株式は、証券会社の財産とは別に管理される分別管理の対象です。顧客名義で保管されているため、全額返還されます。株主の権利も維持され、上場株式であれば別の証券会社への口座の移管が可能です。配当金や株主優待なども、通常通り受け取れます。
売却や移管の手続きに一時的な制限がかかる可能性があるため、注意しましょう。非上場株式の場合は、発行会社に直接連絡し、対応を確認してください。
投資信託


投資信託は、分別管理の対象であり、顧客の名義で管理される資産です。証券会社が倒産した場合でも返還されます。返還される金額は、投資信託の基準価額に応じて決まります。市場の変動で返還金額が変わる可能性がありますが、証券会社の倒産によって失われることはありません。保護対象の投資信託は、以下のとおりです。
- ETF(上場投資信託)
- 海外籍の投資信託
- 未成年者名義の投資信託
投資信託は、証券会社の財務状況に左右されず、安全に管理される仕組みが整っています。
» 株と投資信託の違い|メリット・デメリットを把握して選ぼう!
預かり資金
預かり資金とは、証券会社が顧客から預かった現金や未決済の売却代金などの資金を指します。預かり資金は、分別管理の対象となるため、証券会社の財務状況に影響を受けません。証券会社が破綻しても、原則全額が保護され、速やかに返還されます。
預かり資金は、投資者保護基金の補償対象にもなっているため、証券会社の管理が不適切だった場合でも、補償を受けられます。
【対象外】証券会社が倒産した場合の分別管理の資産


証券会社が倒産した場合の分別管理対象外の資産は、以下のとおりです。
- 自社商品
- 特定のデリバティブ商品
自社商品
証券会社が倒産した場合、自社商品は分別管理の対象外です。自社商品とは、証券会社が独自に開発・販売する金融商品を指します。一般的な株式や投資信託とは異なります。自社商品の例は、以下のとおりです。
- 仕組債
- 特定の条件に応じてリターンが変動する債券です。
- 外国債券
- 海外の発行体が発行する債券で、為替リスクが伴います。
- EB債(株価連動債)
- 特定の株価水準に応じて償還条件が変わる債券です。
- 私募債
- 特定の投資家向けに発行される非公開の債券です。
- 自社発行の新株予約権付社債
- 新株予約権が付与された社債で、転換による利益の可能性があります。
- 自社開発のデリバティブ商品
- 自社が設計した金融派生商品です。
- 自社が組成したファンド
- 自社が運用方針を決定し、投資家から資金を集めて運用する投資ファンドです。
- 自社が販売元となる投資信託
- 自社が販売を担当する投資信託で、顧客の資産運用ニーズに応じて商品を提供します。
自社商品は高い利回りや特殊な投資戦略が特徴ですが、魅力的に見える一方で、リスクも高い傾向にあります。投資を検討する際は、証券会社の財務状況や信用リスクを十分に確認し、慎重に判断しましょう。
特定のデリバティブ商品
特定のデリバティブ商品は、証券会社が倒産した場合に分別管理の対象外となる可能性があります。リスクが高くなるため、注意が必要です。以下の商品が、分別管理の対象外となります。
- CFD取引
- 店頭FX取引
- 商品先物取引
- カバードワラント
分別管理の適用範囲は、証券会社によって異なるため、事前の確認が重要です。投資する際は、証券会社の財務状況をよく確認しましょう。
投資者保護基金で補償される資産とされない資産


投資者保護基金で補償される資産とされない資産を紹介します。
補償される資産
投資者保護基金は、顧客から預かった金銭や有価証券が補償の対象です。補償額は1人当たり最大1,000万円までで、破綻時点の時価評価額が基準となります。市場の変動によって補償額が変わる可能性に注意しましょう。以下の資産が補償対象です。
- 国内上場株式
- 国債
- 投資信託
- 外国株式
- 外国債券
- 預り金
- MRF
分別管理されていない資産も補償の対象となるため、安心して取引ができます。補償には上限があるため、1,000万円を超える資産を保有する場合は注意が必要です。
補償されない資産
投資者保護基金による補償の対象外資産は、証券会社が倒産した場合に返還されない可能性があるので注意が必要です。補償対象外となる資産には、証券会社の自己債務や外国証券、外貨建て資産、金地金、商品先物取引の証拠金などが含まれます。以下の資産も、補償対象外です。
- 海外FXの証拠金
- 未上場株式
- 私募債
- 仕組債
- 海外CFD取引の証拠金
- 暗号資産(仮想通貨)
- ファンドラップ
- 投資一任契約にもとづく運用資産
証券会社の自己債務や外国証券、外貨建て資産、金地金、商品先物取引の証拠金なども、補償対象外となります。安全性を重視する場合は、補償対象となる国内上場株式や投資信託などへの投資がおすすめです。補償対象外の商品に投資する際は、リスクを十分に理解したうえで慎重に判断しましょう。
» 投資信託とは?特徴から始め方まで解説
安全に投資するためのポイント


安全に投資するためのポイント、以下のとおりです。
- 財務指標を確認する
- 信用格付けを確認する
- 複数の証券会社を利用する
- 定期的に資産を確認する
財務指標を確認する
証券会社の健全性を評価するには、財務指標の確認が効果的です。主要な財務指標を分析すると、証券会社の経営状態や財務の安定性を把握できます。以下の項目の推移を比較すると、同業他社との相対的な位置付けが明確になります。
- 自己資本比率
- 財務の安定性を示し、倒産リスクを測る指標です。
- 純資産額
- 会社の財務基盤の強さがわかります。
- 流動比率
- 短期的な支払い能力を評価できます。
- ROE(自己資本利益率)
- 自己資本を活用した収益性を示す数値です。
- 営業利益率
- 本業の収益性を測る指標です。
- 負債比率
- 総資産に対する負債の割合がわかります。
各指標の推移は、過去数年間にわたって確認しましょう。キャッシュフロー計算書の分析も重要です。現金の流れを把握すると、企業の資金繰りや経営の安定性を評価できます。財務情報の開示状況も信頼性を判断する要素です。透明性の高い情報開示を行う証券会社は、健全な経営を維持している可能性が高い傾向にあります。
財務指標の解釈には専門知識が必要なため、不明な点があれば専門家に相談しましょう。
信用格付けを確認する


信用格付けの確認は、証券会社の倒産リスクを評価する方法の一つです。格付けが高いほど、証券会社の財務健全性が高いと判断できます。信用格付けを確認する際は、主要な格付け機関を参考にしましょう。S&Pやムーディーズ、格付投資情報センターなどの機関が発表する格付けがおすすめです。
投資適格(BBB-以上)か投機的(BB+以下)かの確認が重要です。格付けの推移や見通しにも注意し、低下傾向にある場合は慎重に見極める必要があります。一般的に、大手証券会社の格付けは高い傾向にあります。格付けは定期的に見直されるため、最新の情報を確認しておきましょう。
複数の証券会社を利用する
複数の証券会社を利用すると、一社が倒産しても資産を失うリスクを軽減できる効果があります。各証券会社の特徴や手数料を比較できる点もメリットです。証券会社によって、取り扱う商品や手数料体系が異なるため、自分のニーズに合った会社を選びやすくなります。
各証券会社のキャンペーンや特典を活用できるメリットもあります。口座開設時のキャッシュバックや取引手数料の割引、無料の投資情報などを有効に使いましょう。取引や管理の手間が増えるため、管理には注意が必要です。
» おすすめのネット証券と正しい選び方を一挙解説!
定期的に資産を確認する
定期的に資産の状況を把握し、不審な動きがないか確認すると、問題を早期に発見できます。以下の方法で資産の確認が行えます。
- ウェブサイト・アプリ
- 取引報告書
- 評価額・取引履歴
証券会社からの重要なお知らせや通知にも注意しましょう。確認を習慣化すると、資産管理の意識が高まり、長期的な資産の傾向を把握できます。
信用のあるおすすめのネット証券3選
ここでは、新NISAにおすすめのネット証券を3つ紹介します。新NISAは、長期に運用するため信用のある証券会社の選択が重要です。おすすめの証券会社はどれを選んでも問題ありませんので、あなたのライフスタイルに合わせて選んでくださいね。
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まとめ 証券会社の倒産リスクも理解して、安心して新NISAを始めよう!


証券会社の倒産リスクに関する理解を深めるのは重要です。倒産時の流れや補償制度、分別管理の対象資産など、基本的な知識を身に付けると、自身の資産を守る対策を取れます。対策を行い、証券会社の倒産リスクを最小限に抑えつつ、安心して投資活動を続けましょう。