資産運用には証券口座の開設が重要ですが、仕組みや種類、選び方がわからず迷う人も多くいます。この記事では、証券口座の基本から選び方まで詳しく解説します。記事を読めば、自分に最適な証券口座を見つけ、スムーズに開設することが可能です。
証券口座は投資や資産運用のための専用口座で、一般口座や特定口座、NISA口座など目的に応じて選べます。手数料やサービス内容を比較し、自分に合った口座を選びましょう。
証券口座とは投資や資産運用をするための専用口座

証券口座について、以下のポイントから詳しく解説します。
- 証券口座の仕組み
- 証券口座と銀行口座の違い
- 証券口座で取引できる商品
証券口座の仕組み
証券口座は、投資家と証券会社をつなぐ仕組みで、株式や債券の売買・保管が可能です。証券会社が管理し、顧客資産を分別保管します。入出金や売買注文、配当金の受け取り、取引履歴の管理ができ、本人確認や取引制限の管理を通じて投資家を保護します。
証券口座は証券取引法にもとづいて運営されているので安全です。複数の証券会社で開設でき、自分に合った会社を選べます。オンライン取引にも対応し、スマホやPCで簡単に売買が可能です。投資にはリスクがあるため、十分に理解してから始めましょう。
証券口座は投資の入り口となる重要なツールであり、適切な知識と慎重な判断が必要です。
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証券口座と銀行口座の違い

証券口座と銀行口座は目的や機能が大きく異なります。証券口座は投資や資産運用に使われ、株式や投資信託を取り扱います。銀行口座は預金や決済が目的で、現金や普通預金、定期預金を扱うのが特徴です。証券口座はリスクが高くなる傾向があり、管理する機関も異なります。
証券口座は証券会社、銀行口座は銀行が管理しており、審査基準や取引方法、利益の出し方も異なります。証券口座では株価の値上がり益や配当金が主な収入源で、税制は申告分離課税が適用されます。一方、銀行口座では預金利息が収入源で、源泉分離課税が適用されます。いずれも税率は20.315%です。
銀行口座は預金保険制度の対象で、金融機関が破綻しても一定額まで預金が保護されます。一方、証券口座はこの制度の対象外ですが、証券会社が破綻した場合には別の補償制度(日本投資者保護基金)が適用されます。両者の違いを理解し、目的に合った口座を選びましょう。
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証券口座で取引できる商品
証券口座では、株式や投資信託、債券、ETF、REIT、外国株式・債券など多様な金融商品を取引できます。上手に組み合わせると分散投資が可能になり、リスクを抑えつつ収益を狙えます。先物取引やオプション取引、FX、CFDなど、より高度な取引も可能です。
高リターンが期待できますが、リスクも大きいため、初心者は十分な知識と経験を積んでから取り組みましょう。証券会社によっては、ラップ口座(投資一任サービス)や仕組債、新株予約権などのサービスを提供しています。取引可能な商品は証券会社ごとに異なるので、口座開設前に確認が必要です。
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【基本のき】証券口座の種類と特徴

証券口座の種類を以下に示します。
- 一般口座
- 特定口座
- NISA口座
一般口座
一般口座は、自由度が高く取引制限のない基本的な証券口座です。一般口座の特徴は以下のとおりです。
- 税金の計算と確定申告
- 損益通算と繰越控除
- 取引履歴の管理
- 口座間の資金移動
- 長期保有
- 複数の証券会社での開設
税金の計算や確定申告を自分で行う必要があり、初心者には手間がかかることがあるため注意してください。損益通算や繰越控除は適用されないので、税制面でのメリットは少なめです。特定口座やNISA口座と併用でき、投資の目的や状況に応じた使い分けが可能です。
長期投資を考えている人や、複数の証券会社で取引したい人には適しています。
特定口座

特定口座は、税金の計算を証券会社が代行するので、年間の損益計算や確定申告が簡単です。特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があります。源泉徴収ありは税金が自動で差し引かれ、確定申告が不要ですが、源泉徴収なしは確定申告が必要です。
特定口座は複数の証券会社で開設可能なため、投資の選択肢が広がる点がメリットです。特定口座間の損益通算ができ、株式や投資信託、債券などの取引を効率的に管理できます。特定口座の開設には本人確認書類が必要です。
NISA口座
NISA口座は非課税投資制度を利用できる特別な口座で、特徴は以下のとおりです。
- 株式投資信託や上場株式への投資が対象
- 18歳以上の居住者が開設可能
- 1人1口座のみ開設可能
- 途中での払い出しが可能
- 年間360万円まで非課税で投資が可能
- 非課税期間の上限なし
2024年の新NISA導入で非課税枠が拡大し、より多くの資金を運用できるようになりました。NISA口座の開設は証券会社や銀行で申し込み可能です。運用益や配当金が非課税になるため、投資初心者や長期投資を考える人に適しています。損失が出ても税務上の控除が受けられない点に注意してください。
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証券口座を持つメリット

証券口座を持つと、資産運用を多様化でき、税制上の優遇措置が受けられるメリットがあります。
資産運用を多様化できる
証券口座を持つ大きなメリットは、資産運用を多様化できる点です。証券口座を開設すると、さまざまな金融商品に投資でき、以下のような投資先を選べます。
- 株式
- 債券
- 投資信託
- 不動産投資信託(REIT)
- 外国為替
幅広い選択肢があるため、投資目的やリスク許容度に応じたポートフォリオを構築できます。安定性を重視する人は債券中心、高リターンを狙う人は株式中心の投資が可能です。国内外の市場にアクセスでき、グローバルな投資機会を得られるため、分散投資に適しています。
特定の国や地域の経済状況に左右されにくく、長期投資や短期投資を組み合わせた柔軟な運用も可能です。市場の変化に応じて資産配分を調整し、インフレ対策や為替リスク管理の戦略を実行できます。
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税制上の優遇措置が受けられる
証券口座を利用すると税制上の優遇措置を受けられるので、投資家にとって大きなメリットです。NISAは年間360万円まで非課税枠があるので、長期的な資産形成に役立ちます。内訳は、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円までで、コツコツ投資を行う人に最適です。
特定口座(源泉徴収あり)を選択すると確定申告が不要になるので、税務処理の手間を省けます。長期保有の株式投資では譲渡益に対する税率が軽減されるため、じっくりと資産を育てたい人におすすめです。優遇措置を活用すると効率的な資産運用が可能になりますが、投資にはリスクも伴います。
投資目的や資金状況に合わせて慎重に選択しましょう。
【失敗回避】証券口座を持つデメリット

証券口座を持つデメリットには、手数料がかかることや、元本割れのリスクがある点が挙げられます。
手数料がかかる
証券口座を利用する場合は手数料が発生します。手数料は以下のとおりです。
- 株式売買手数料
- 投資信託の手数料
- 口座管理料
- 外国株式取引の為替手数料
- 信用取引の金利や貸株料
- ETF取引の売買手数料
- 債券取引の売買スプレッド
手数料は取引の種類や証券会社によって異なり、維持費や出金手数料がかかる場合もあります。投資収益に影響するため、事前に比較検討しましょう。ネット証券は手数料が安く、コストを重視する投資家に適しています。
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元本割れのリスクがある
元本割れのリスクは避けられず、投資額を下回る可能性があります。市場の変動による損失にも注意が必要です。株価の下落や債券の金利上昇で資産価値が減少し、為替相場の変動で外貨建て資産が目減りするリスクもあります。
投資信託も運用成績によっては元本割れする可能性があり、デリバティブ取引では大きな損失のリスクも伴います。十分な知識と経験を持って運用することが重要です。新興企業への投資は高リターンの可能性がある一方で、倒産リスクも伴います。
経済や政治の変化によって資産価値が下がる場合もあり、長期保有してもリスクを完全に回避できません。投資を始める前に自分のリスク許容度を考え、財務状況や投資目的に応じた適切なリスク管理を行うことが重要です。
証券口座選びのポイント

証券口座を選ぶ際は、以下の項目を確認しましょう。
- 手数料
- サービス内容
- 取り扱い商品
- サポート体制
手数料
証券口座を選ぶ際は、手数料が重要なポイントです。投資利益に影響するため、低く抑えることが大切です。手数料には以下のようなものがあります。
- 株式売買手数料
- 投資信託の購入・解約手数料
- 口座管理料
- 入金・出金手数料
- 外国株式取引の手数料
手数料は証券会社によって異なるので、比較検討が重要です。頻繁に取引する場合、売買手数料の影響は大きくなります。手数料の安さだけでなく、サービス内容やサポート体制も考慮し、総合的に判断しましょう。投資スタイルに合った証券会社を選ぶことが大切です。
サービス内容

ネット証券のサービスは多岐にわたり、投資情報や分析ツールの提供などがあります。サービス内容は以下のとおりです。
- リアルタイムの株価・チャート表示
- スマホアプリでの取引対応
- 取引手数料の無料化や割引プラン
- 投資信託の豊富な品揃え
- 株式やETF・投資信託の積立機能
ネット証券は、外国株式やFX・CFD取引に対応し、IPOの取扱いもあります。初心者向けに投資セミナーやデモ取引を提供し、基礎知識や実践スキルを学べます。カスタマーサポートの充実度や取引ツールの使いやすさ、口座管理手数料の有無も、証券会社を選ぶ際に重要です。
» 初心者向け!ネット証券の始め方と証券会社の選び方
» おすすめのネット証券と正しい選び方を一挙解説!
取り扱い商品
証券口座で取り扱える商品は多岐にわたり、以下のようなものがあります。
- 国内株式
- 外国株式
- 投資信託
- ETF
- 債券
- FX
- CFD
- 先物・オプション取引
- REIT
商品は証券会社によって異なりますが、多くは国内株式や投資信託を取り扱っています。初心者には、リスクが比較的低く専門家が運用する投資信託やETFがおすすめです。専門家が運用を行うので、個別の銘柄選びに悩む必要がありません。
経験者はFXや先物・オプション取引など高度な商品に挑戦できますが、高リスクのため知識と経験が必要です。証券口座を選ぶ際は、投資スタイルに合った商品があるか確認し、取引手数料や取引単位も比較検討しましょう。
サポート体制

ネット証券のサポート体制は、初心者にとって重要です。多くのネット証券会社では、充実したサポート体制を整えています。サポートの質や対応時間は、証券会社によって異なるので注意してください。電話やチャットに加え、メールサポートや24時間対応してくれるケースもあります。
初心者向けにセミナーや勉強会を開催するほか、オンラインヘルプやFAQを充実させている会社もあります。専門スタッフによる個別相談では、投資戦略のアドバイスや取引ツールの使い方をサポートしてもらえるので安心です。
モバイルアプリのサポートも重要です。スマホ取引が増える中、操作方法や不具合への迅速な対応が求められます。市場の急変時にどのようなサポートがあるかも事前に確認しましょう。
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【3STEP】証券口座の開設手順


証券口座の開設は、以下の手順で進めましょう。
- 必要な書類を準備する
- 申し込み・審査を受ける
- 証券口座開設の通知が届く
STEP①必要な書類を準備する
証券口座を開設するために、必要書類を準備してください。書類は以下のとおりです。
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなど)
- マイナンバー確認書類(マイナンバーカードや通知カード)
- 印鑑(銀行印や実印)
- 銀行口座情報(口座番号や支店名など)
必要書類に加えて、メールアドレスや携帯番号、職業、投資目的や経験、収入や資産に関する情報も必要です。住所確認のために、公共料金の請求書なども求められる場合があります。
STEP②申し込み・審査を受ける


証券口座の開設手続きは、オンラインまたは店頭で行います。申し込み時に個人情報を入力し、取引目的や資金源を申告してください。利用規約と契約内容を確認し、手続きを完了させましょう。提出後に証券会社が審査を行い、結果によっては追加書類の提出や面談が求められる場合があります。
審査は通常数日かかり、通過すれば口座開設手続きが進みます。口座開設までの期間は証券会社によって異なりますが、およそ1~2週間です。未成年者や海外在住者は追加手続きが必要な場合があるため、事前に確認しましょう。
STEP③証券口座開設の通知が届く
証券口座開設の通知が届くと、投資を始める準備が完了します。通知は郵送または電子メールで届くので確認してください。通知には口座番号やオンラインサービスのログイン情報など、取引に必要な情報が記載されているので大切に保管しましょう。
通知と一緒に、口座開設特典やキャンペーン情報が同封されることもあります。通知を受け取ったら内容を確認し、不明点は証券会社に問い合わせましょう。多くの場合すぐに取引可能ですが、追加の本人確認が必要な場合もあります。取引ルールや注意事項も送付されるため、よく読んで理解しておくことが大切です。
通知が遅れる場合は、郵便事故や手続きの遅れの可能性があるので、証券会社に連絡しましょう。
まとめ まずは証券口座を作って、未来の自分に投資を始めよう


証券口座は投資や資産運用に欠かせないツールです。口座を開設すれば、さまざまな株式や投資信託に投資でき、NISAやiDeCoなどの税制優遇にも活用可能です。
証券口座選ぶ際は、手数料や元本割れのリスクを理解し、サービス内容や取引商品、サポート体制を確認してください。本記事を参考にして自分に合った口座を見つけ、将来の資産形成を始めましょう。