NISA制度の変更に伴い、新NISAの取り扱い方法に不安を感じている方は多くいます。この記事では、旧NISAから新NISAへの移行に関する基礎知識や手順、注意点、移行後の効果的な投資戦略などを解説します。記事を読めば、新NISA制度への理解が深まり、スムーズな移行と効果的な投資戦略の立案が可能です。
旧NISAから新NISAへの移行は、原則、自動で行われますが、一部の手続きは除かれます。投資戦略も改めて見直しが必要です。新NISA制度の特徴を生かし、長期的な資産形成を目指しましょう。
旧NISAから新NISAに移行する前に知っておきたい基礎知識

新NISAへ移行する前に、旧NISAと新NISAの違いを理解しましょう。新NISAのメリットやデメリットがわかると、自分に合った効果的な投資戦略を立てられます。
旧NISAと新NISAの違い
旧NISAは、2023年で新規投資が終了しました。2024年からは、新NISAの運用が開始されています。新NISAの非課税投資枠の上限額は、年間360万円までです。旧NISAよりも、大幅に増加しました。非課税期間も新NISAでは制限がありません。
投資可能な金融商品の種類も変更されています。新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の2種類が設けられ、それぞれで投資できる商品が定められています。
» 新NISAとは?特徴とメリット、デメリットを解説!
新NISAのメリット・デメリット
新NISAでは非課税投資枠や非課税期間が拡大されたため、長期的な資産形成がしやすくなりました。投資可能な商品が増え、積立投資がしやすくなった点がメリットです。新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の2種類から、自分に合った商品を選択できます。
非課税で運用益を再投資でき、口座開設手続きが簡単な点が魅力です。つみたて投資枠と成長投資枠の併用が複雑で、投資商品選びが難しいデメリットに注意しましょう。運用成績が悪いと、税制優遇の効果が小さくなります。非課税枠を使い切らないと損した気分になる場合もあります。
旧NISAの非課税期間が終わると、課税対象になる点に注意が必要です。新NISAを利用する際は、メリットとデメリットを考慮し、慎重に検討する必要があります。
旧NISAから新NISAへ移行する方法

旧NISAから新NISAへ移行する方法は、以下のとおりです。
- 自動的に新NISA口座が開設される
- 旧NISAの商品を売却して新NISAで同じ商品を購入する
- 金融機関を変更したい場合は廃止手続きをする
自動的に新NISA口座が開設される
2024年1月1日以降、旧NISA口座を持っている場合は自動的に新NISA口座が開設されます。旧NISA口座と同じ金融機関で自動開設されるため、新たな手続きは不要です。新NISA口座の開設を希望しない場合は、金融機関に申し出る必要があります。
新NISA口座の開設後も、旧NISA口座は非課税期間が終了するまで利用できます。
» 新NISAの始め方!口座の開設方法や注意点を徹底解説!
旧NISAの商品を売却して新NISAで同じ商品を購入する
旧NISA口座の商品を新NISA口座でも保有したい場合、一度売却して再購入する必要があります。新NISAへの直接的な移行はできません。再購入の際は、以下の点に注意しましょう。
- 売却と再購入の間に価格変動のリスク
- 売却時の利益は課税対象
- 売却時の損失は確定
- 新NISAでの再購入時手数料
売却・購入のタイミングによっては、配当金を受け取れません。新NISAで同じ商品を購入すると、お気に入りの投資商品を新NISAの非課税枠で引き続き保有できます。売却・購入の際は、市場の動向や個別銘柄の状況を確認しましょう。非課税枠を最大限活用するためには、計画的な売却や購入が必要です。
» 旧NISAはどうする?非課税期間終了後の対応策
金融機関を変更したい場合は廃止手続きをする
金融機関を変更する場合は、新しい金融機関でNISA口座を開設する前に、旧NISA口座を廃止する必要があります。旧NISA口座がある金融機関に廃止届出書を提出し、新しい金融機関で新規口座の開設を申込みましょう。
» 新NISA口座の金融機関を変更する方法を解説
【失敗回避】旧NISAから新NISAへ移行する際の注意点

旧NISAから新NISAへ移行する際の注意点は、以下のとおりです。
- ロールオーバーできない
- 旧NISAと新NISAは別枠で管理される
- 旧NISAの商品は非課税期間が終了したら課税対象となる
注意点を踏まえて、適切な移行計画を立てましょう。
ロールオーバーできない
ロールオーバー制度は廃止されたため、旧NISAの非課税期間中の商品を新NISAに移すのは不可能です。旧NISAの非課税期間が終了した後は、売却するか一般口座へ移管する必要があります。新NISAで同じ商品を保有したい場合は、一度売却して再度購入しましょう。
売却時に利益が出ていれば、課税対象となる点に注意が必要です。税金面でのデメリットを避けるためには、非課税期間終了前に売却を検討してください。
» 新NISAへのロールオーバー
旧NISAと新NISAは別枠で管理される
旧NISAと新NISAは、完全に別枠で管理されます。新NISAの非課税枠は、旧NISAの残高に関係なく全額を使用でき、投資家は新たな投資機会を最大限に活用できます。新旧それぞれのNISAの非課税枠を最大限に活用すると、効果的な資産運用が可能です。
旧NISAの商品は非課税期間が終了したら課税対象となる
旧NISAの非課税期間が終了すると、保有している商品は自動的に課税口座へ移管されます。移管後は、配当金や売却益に対して課税されるため、注意が必要です。株式の課税率は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)です。非課税期間終了前に売却すれば、課税を回避できます。
課税口座への移管時に、評価益に対する課税はありません。移管後の損益計算は、移管時の時価が取得価額となるため、注意しましょう。
旧NISAから新NISAへ移行した後の投資戦略

旧NISAから新NISAへ移行した後の投資戦略は、以下のとおりです。
- つみたて投資枠と成長投資枠を組み合わせる
- 非課税投資枠を最大限に活用する
- 配当金を再投資する
- 高成長が期待できる商品へ投資する
新NISAに合わせて投資戦略や資産配分を見直すと、長期的な資産形成効果が期待できます。
つみたて投資枠と成長投資枠を組み合わせる
つみたて投資枠と成長投資枠を組み合わせると、効果的な資産運用が可能です。つみたて投資枠ではインデックス投資などを利用し、国内外に分散投資をすると、安定性を確保できます。成長投資枠では市場動向を見つつ、特定のセクターや企業に集中投資すれば、高いリターンを追求できます。
投資スタイルに応じて、アクティブ運用をするのもおすすめです。2つの枠を組み合わせると、リスク分散と高リターンの両立を目指せます。それぞれの配分は、自分のリスク許容度に合わせて調整しましょう。
» 新NISAの成長投資枠と積立投資枠の違いを徹底解説!
非課税投資枠を最大限に活用する
長期保有で非課税投資枠を最大限に活用すると、投資収益を増やすチャンスが広がります。配当金や分配金を非課税枠内で再投資したり、株式や投資信託などの多様な商品を組み合わせて投資したりするのも効果的です。非課税期間終了後の資金運用計画も考えましょう。iDeCoなどの非課税制度との併用もおすすめです。
税制優遇制度を活用しつつ、適切なリスク管理も心がけましょう。
配当金を再投資する

新NISAの非課税枠内で配当金を再投資すると、複利効果を最大限に活用できます。自動再投資プログラムを活用すれば、配当金を受け取るたびに自動的に同じ銘柄に再投資され、手間がかかりません。成長投資枠を使って高成長銘柄に再投資すれば、より高いリターンが期待できます。
つみたて投資枠で定期的に再投資すれば、ドルコスト平均法の効果が得られます。短期的な市場の変動に左右されない投資が可能です。自分の投資スタイルに合った方法を選び、長期的な視点で取り組みましょう。再投資の際は手数料がかかるため、頻度やタイミングを慎重に検討してください。
市場の状況に応じて定期的に戦略を見直すと効果的です。
» ドルコスト平均法のデメリットを知り賢く資産運用しよう!
高成長が期待できる商品へ投資する
高成長が期待できる商品への投資は、新NISAの成長投資枠を活用するうえで重要な戦略です。成長性の高い企業や産業に投資すると、長期的な資産形成につながります。高成長が期待できる企業や産業の例は、以下のとおりです。
- テクノロジー関連企業
- バイオテクノロジー企業
- クリーンエネルギー関連企業
- 新興国市場で急成長している企業
社会や経済の変化に合わせて、大きな成長が見込まれます。高成長が期待できる商品は、リスクが高い点に注意が必要です。定期的に投資状況を見直し、必要に応じてリバランスしましょう。市場環境や企業の状況は常に変化するため、柔軟な対応が必要です。
企業の財務状況や経営戦略、市場シェアの拡大計画を精査し、長期的な成長トレンドを見極めましょう。個別株式だけでなく、成長株ETFなども活用すると、リスクを分散しつつ高成長が期待できる商品に投資できます。
» ETFの種類と特徴:投資目的に合った選択方法を解説
新NISAにおすすめのネット証券3選
ここでは、新NISAを移行するときにおすすめのネット証券を3つ紹介します。どの証券会社を選んでも、つみたて投資枠で選べる優良な投資先がたくさんありますので、あなたのライフスタイルに合わせて選べば問題ありません。
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旧NISAから新NISAへ移行するときによくある質問


旧NISAから新NISAへ移行するときによくある質問をまとめました。移行手続きの手数料や移行手続きをしなかった場合の対応、ジュニアNISAの移行方法などを知りたい方は参考にしてください。
移行手続きに手数料はかかる?
旧NISAから新NISAへの移行手続き自体には、手数料はかかりません。ただし、関連費用が発生する場合があります。金融機関によっては、新NISA口座を維持するための口座管理料が必要です。旧NISAで保有していた株式を売却し、新NISA口座で同じ商品を買い直す場合は、売買手数料がかかります。
金融機関を変更するときは、新しい金融機関での口座開設手数料が必要です。具体的な費用は金融機関によって異なるため、事前に確認しましょう。利用しているまたは利用を検討している金融機関に、直接問い合わせると確実です。
移行手続きをせずに新規でNISA口座開設を申し込んだ場合どうなる?
既存のNISA口座は、自動的に新NISA口座へ移行されます。既存の口座がある方は、新規のNISA口座を開設できません。重複して口座を開設した場合は、申し込みが無効になり、既存口座の移行手続きを促されます。混乱を避けるためには、取引している金融機関に事前に確認するのがおすすめです。
金融機関によって対応が異なるため、自分の状況を丁寧に説明し、適切な手続き方法を確認しましょう。
ジュニアNISAの移行はどうすればいい?
2024年1月1日以降、ジュニアNISAは基本的に自動で移行されています。ジュニアNISA口座の非課税枠は、2023年までで廃止され、新規の口座開設や投資はできません。
既存の投資は、成人年齢(18歳)に達するまで非課税で保有・運用が可能です。2024年以降、18歳未満の口座名義人でも、ジュニアNISA口座からの払出しが非課税で自由に行えるようになります。しかし、払出しをする際は口座全体を閉鎖する必要があります。
ジュニアNISAの移行について不安がある場合は、口座を開設している金融機関に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、スムーズな移行が可能です。
まとめ 新NISAで金融機関を変更するならネット証券が最適


旧NISAから新NISAへは基本的に自動で移行され、新たな手続きは不要です。新NISAの口座は、旧NISA口座と同じ金融機関で開設されるため、必要に応じて金融機関の変更手続きをしてください。ロールオーバーができない点や、旧NISAと新NISAが完全に別枠で管理される点に注意が必要です。
新NISAへの移行後は、つみたて投資枠と成長投資枠を効果的に組み合わせ、非課税投資枠を最大限に活用しましょう。旧NISAの商品は、非課税期間が終了したら課税対象となるため、注意してください。新NISA制度の特徴や移行の注意点、移行後の投資戦略などを理解すると、効果的な資産形成が可能です。