投資に興味を持ちながらも、適切な投資割合に悩む人が多くいます。この記事では、投資割合の基本原則や投資割合の考え方、年代別の投資割合について解説します。
投資割合を決める際は「100-年齢」ルールを参考にしつつ、ライフステージやリスク許容度を考慮すべきです。記事を読んで、自身に合った投資割合を見つけ、効果的な資産運用を始めましょう。
日本人の投資割合の現状

日本人は現金や預金を好む傾向が強く、投資に対して慎重です。しかし、NISA・iDeCoなどの制度やインターネット証券の普及により、投資への関心が徐々に高まっています。日本人の投資割合の現状について以下を解説します。
- 日本の投資人口と割合
- 海外の投資割合との比較
日本の投資人口と割合
日本の個人金融資産のうち、投資は約15%です。多くの日本人が投資に慎重な姿勢を持っています。投資経験者の割合を見ると、全体の約30%は投資経験があります。年代別の傾向は以下のとおりです。
- 20代:約20%
- 30代:約25%
- 40代:約30%
- 50代以上:約35%
投資未経験者の約60%が「投資に興味がある」と回答しています。投資を始めない理由は、知識不足やリスクへの不安、元本割れの恐れなどです。投資経験者の約70%は「長期・分散投資」を実践しています。
「長期・分散投資」は、リスクを抑えながら安定的なリターンを目指す方法です。投資商品の利用状況は、投資信託の保有者数が約2,800万口座、NISAの口座開設数が約1,500万口座です。iDeCoの加入者数は約200万人います。
» 投資信託とは?特徴から始め方まで解説
海外の投資割合との比較
日本の投資割合は海外と比べると低い水準にあります。日本の投資割合は約15%であるのに対し、米国では約53%、英国では約32%、ドイツでは約24%です。日本は現金・預金の割合が高く、約54%を占めます。日本では個人の株式保有率が約30%であるのに対し、米国では個人の株式保有率が約55%です。
海外で投資が身近な背景には、401(k)プラン(※)や若年層からの投資教育、長期的な株式市場の好調などが影響しています。日本では株式市場の長期低迷が投資意欲に影響を与えてきましたが、近年は徐々に改善しています。海外の事例を参考にしながら、自身に合った投資方法を見つけましょう。
※ 401(k)プランとは、アメリカの企業が提供する退職金積立制度です。
知らなきゃ損!投資割合を考える基本原則

投資割合を考える際には、年齢・個人の状況に応じた配分やライフステージの変化に合わせた見直しが必要です。短期・長期目標別の割り当てや定期的なリバランスの原則もあります。投資割合を考える基本原則を以下で解説します。
- 「100-年齢」ルール
- ライフステージに応じた投資割合の変化
「100-年齢」ルール
「100-年齢」ルールは、年齢に合わせて投資の割合を考える方法です。100から自身の年齢を引いた数字を株式投資の割合とし、残りの割合を債券投資に使います。30歳の人の場合、株式投資の割合は70%(100-30)で、残りの30%を債券投資に使います。
「100-年齢」ルールは若い人ほど株式投資の割合が高くなり、年をとるにつれて債券投資の割合が増えていくのが特徴です。覚えやすくて簡単なルールですが、あくまで目安です。リスクを取りたくない人は、株式投資の割合を減らしましょう。「100-年齢」ルールは、長期的な資産づくりを考えるときの参考になります。
ライフステージに応じた投資割合の変化
若い人ほどリスクを取りやすく、年をとるにつれてリスクを抑える傾向があります。一般的な投資割合の目安は以下のとおりです。
年齢 | リスク資産 | 安全資産 |
---|---|---|
20〜30代 | 70~80% | 20~30% |
40〜50代 | 50~60% | 40~50% |
60代以降 | 30~40% | 60~70% |
目安はありますが、個人の状況や目標によって最適な割合は異なります。結婚や出産、住宅購入などのライフイベントがある場合は、安全資産の割合を増やす必要があります。投資割合は固定ではないため、市場の変化や自身の環境の変化に応じて、定期的な見直しと再調整をしましょう。
投資割合の考え方

投資割合を考える際は、以下の3ステップを参考にしてください。
- 目標と期限を設定する
- リスク許容度を確認する
- 収支状況を把握する
目標と期限を設定する
目標と期限の設定により、投資の方向性が明確になり、効果的な資産運用が可能です。老後資金の確保や住宅購入資金の準備、子どもの教育費の貯蓄などが目標になります。目標が決まったら、必要な金額を計算してください。
老後資金なら月々の生活費や医療費を考慮し、住宅購入なら希望する物件の価格や頭金の額を検討しましょう。期間によって適切な投資商品や戦略が変わるため、目標達成までの期間は短期・中期・長期に分けて考えるのがおすすめです。必要に応じて目標や期限を見直しましょう。
リスク許容度を確認する

自身が受け入れられるリスク許容度を知ると、適切な投資戦略を立てられます。一般的に期間が長いほど多少のリスクを取れますが、短期の目標では安全な投資が求められます。リスク許容度を確認するには、以下の点を考慮しましょう。
- 損失に対する心理的耐性
- 投資経験や知識レベル
- 短期的な変動への対応力
- ストレステストの結果
株価急落の場合、パニックにならずに冷静に対応できるかを想像してください。過去の投資経験を振り返り、どのような状況でストレスを感じたかを思い出すのも有効です。
性格や価値観も大切です。リスクを避けたい人は安全性の高い投資商品を考えましょう。チャレンジ精神のある人は、多少のリスクを取ると高いリターンを狙える可能性があります。必要に応じて金融の専門家に相談するのもおすすめです。
収支状況を把握する
以下の手順で月々の収入と支出を記録し、固定費と変動費を区別して収支状況を把握しましょう。
- 月々の収入と支出の記録
- 固定費と変動費の整理
- 貯蓄額や負債の確認
- 余剰資金の算出
将来の備えも忘れずに考慮すると、無理のない投資計画を立てられます。緊急時のために3〜6か月分の生活費を確保し、住宅購入や教育費など、将来の大きな出費も考慮してください。
【年代別】投資割合の目安

年齢によってリスク許容度や投資目標が変化するため、年齢に応じた投資割合の調整が大切です。一般的には、年齢が上がるにつれてリスク資産(株式)の割合を減らし、安全資産(債券)の割合を増やします。ただし、個人の状況や目標に応じて調整が必要です。
20代
20代は投資に充てられる資金が比較的多く、リスク許容度も高い傾向にあります。長期投資の恩恵を最大限に受けられるのが特徴です。株式への投資割合は70~80%に高めに設定するのがおすすめです。債券への投資割合は20~30%程度に抑えましょう。
20代のうちに月々の積立投資を習慣化すると、複利効果を最大限に活用できます。新興国株式や小型株などのハイリスク資産も選択肢の1つです。市場の変動に対して、長期的な視点での対応が大切です。短期的な変動に一喜一憂せず、着実に資産形成を進めましょう。
» 新興国投資のリスクとメリットが理解できる!おすすめできる人の特徴や成功のポイントを詳しく解説
30代

30代は時間的余裕があるため、リスクを取った投資を検討しやすい時期です。株式や投資信託などのリスク資産への投資割合を高めることが推奨されます。総資産の70〜80%を株式や株式型投資信託に振り分け、残りの20〜30%を債券や現金などの安全資産に配分しましょう。
長期的な資産成長を目指しつつ、必要な安全性を確保できます。30代は収入が徐々に増える傾向にあるため、生活費を抑えつつ、余剰資金を積極的に投資に回しましょう。毎月の収入の一部を積立型の投資信託や確定拠出年金(iDeCo)に振り分けると、効率的に長期的な資産形成が可能です。
30代の投資の目的は、将来の教育費や住宅購入資金の準備、老後資金の土台作りです。リスクとリターンのバランスを意識して定期的にポートフォリオを見直し、ライフステージの変化に応じた調整を心がけてください。
30代子育て世帯向けに新NISAの積立投資を解説した記事はこちら

40代
40代は子育てなどで支出が増加する時期ですが、キャリアの充実期でもあるため、収入が安定し始めます。長期的な資産形成と短期的な目標のバランスが重要です。40代の投資割合の目安として、株式60%、債券40%程度の配分が一般的です。
教育費や住宅ローンに考慮しつつ、積立投資や分散投資を活用しましょう。保険や年金についても検討してください。40代は老後資金の準備を意識し始める時期です。長期的な視点を持ちつつ、現在の生活とのバランスを取りながら投資をしましょう。リスクを抑えつつ、着実に資産を増やしていく戦略が最適です。
50代

50代は保守的な投資スタンスを取る傾向が強まります。退職後の生活を見据えた資産形成が重要になるため、安全性を重視した投資が必要です。株式投資の割合を50~60%程度に抑え、債券や安定した資産の比率を40~50%に増やしましょう。リスクを抑えながら、適度なリターンを得られます。
50代は子どもの教育費や住宅ローンの返済が一段落し、余裕資金を投資に回せる可能性が高まります。しかし、定年後の収入減少や医療費、介護費用の増加も見据える必要があるので、長期的な視点での資産運用が大切です。インフレリスクに備えて、資産配分を考慮してください。
相続や贈与を視野に入れた資産管理も検討する時期です。専門家のアドバイスを受けながら、自身に合った投資戦略を考えましょう。
60代以降
60代以降は安全性を重視したポートフォリオに移行する時期です。退職後の生活や医療費、介護費用などに備える必要があるため、リスクを抑えた運用が必要です。株式投資の割合を20~30%程度に抑え、債券や預金など安定資産を70~80%に増やします。インフレリスクを考慮し、不動産への一部配分を検討しましょう。
長生きに備え、完全にリスク資産をなくすのではなく、適度な資産形成の継続も大切です。定期的な収入源として配当株や債券に注目しましょう。運用期間の短さを考慮しつつ、年金収入を補完できるように資産配分を工夫してください。
積立投資に最適!新NISAでおすすめのネット証券3選
ここでは、新NISAにおすすめのネット証券を3つ紹介します。どの証券会社を選んでも、積立投資で優良な銘柄を多数取り扱っているので、あなたのライフスタイルに合わせて選んでくださいね。
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投資割合を考えるときの注意点


投資割合を考える際、以下の点に注意が必要です。
- 市場動向の変化に対応する
- 分散投資を意識する
- 税制優遇制度(NISA・iDeCo)を活用する
定期的なリバランスも大切です。自身の知識や経験に応じて割合を調整しましょう。緊急時に備えた現金比率の維持も忘れずに、適切な投資割合を決定してください。
市場動向の変化に対応する
投資割合を考える際は、定期的な市場の確認と、必要に応じた投資割合の調整が大切です。経済指標や政治情勢の変化に注目し、新興市場や新技術への投資機会を見逃さないようにしましょう。急激な市場変動時には冷静な判断が必要になります。長期的な視点を持ちつつ、短期的な変動への柔軟な対応が求められますが、過度な反応は避けるべきです。
専門家のアドバイスや市場レポートを参考にしながら、自身の投資方針とのバランスが重要です。市場動向への対応により、リスクを抑えつつ、良い投資成果を得られる可能性が高まります。常に情報収集を心がけ、適切な判断ができるよう準備しましょう。
分散投資を意識する


複数の資産に投資すると、リターンを安定化させ特定の資産の値下がりによる影響を抑えられます。地域・国による分散や業種・企業規模による分散、インデックス投資による分散などがあります。
リスクの異なる資産の組み合わせにより、ポートフォリオ全体のリスクを調整可能です。相関関係の低い資産の組み合わせや定期的なリバランスも効果的です。市場の変動により資産配分が崩れた場合、元の配分に戻すとリスク管理ができます。ただし、急激な変更は避け、徐々に調整しましょう。
個別銘柄への過度の集中は避けてください。1つの銘柄に偏ると、大きな損失につながる可能性があります。分散投資を意識し、長期的に安定したリターンを目指しましょう。初心者の人でも投資信託などを活用すれば、簡単に分散投資を始められます。
» 株の銘柄選びの重要性と選び方について解説
» インデックスファンドの基本から選び方を解説!
税制優遇制度(NISA・iDeCo)を活用する
NISAやiDeCoなどの税制優遇制度は、投資初心者でも利用しやすい制度です。NISAは非課税投資制度で、年間120万円まで非課税で投資できます。2024年からは新制度に移行し、非課税期間が無期限になるため、より長期的な視点で投資を行えます。
iDeCoは確定拠出年金制度で、掛金が全額所得控除の対象です。60歳まで引き出しができませんが、税制優遇の効果が大きいのが特徴です。制度を活用する際は、以下の点を確認しましょう。
項目 | NISA | iDeCo |
---|---|---|
対象年齢 | 18歳以上 | 原則20歳以上60歳未満 |
投資対象 | 株式・投資信託 | 主に投資信託 |
長期投資 | 適している | 適している |
NISAとiDeCoの併用で、より効果的な資産形成が可能になります。しかし、自身の状況や目標に合わせた制度の選択が大切です。投資初心者の人は、まずはNISAから始めるのがおすすめです。
» 新NISAの始め方!口座の開設方法や注意点を徹底解説!
» 新NISAとiDeCoの違いとそれぞれ向いている人を解説!
バッチリ解決!投資割合を考えるときによくある質問


投資割合に関する疑問や不安について、以下のよくある質問をまとめています。
- どのくらいの頻度で投資割合を見直すべき?
- 一度決めた投資割合は変更しなくても大丈夫?
- 初心者に適した投資割合は?
どのくらいの頻度で投資割合を見直すべき?
投資割合は年に1回程度の定期的な見直しがおすすめです。投資戦略が時間の経過とともに変化する可能性があるため、以下のタイミングで見直しを行いましょう。
- 年末や年始
- ライフイベント
- 市場の大きな変動
- 収入の変化
見直しの際、投資目標の変化やリスク許容度の変化、金融商品と投資環境の変化などに注目します。定期的な見直しにより、自身の状況に合った投資割合を維持できます。ただし、頻繁な変更は手数料がかさむ可能性があるため注意してください。
投資割合の見直しは個人の状況や市場環境に応じて適切に行いましょう。自身の投資戦略を定期的に評価し、必要に応じた調整で、より効果的な資産運用が可能になります。
一度決めた投資割合は変更しなくても大丈夫?


長期的な視点で投資割合を決定しますが、定期的な見直しは重要です。結婚・出産や転職・退職、経済状況の大きな変動があった場合は、投資割合の再検討が必要になります。急激な市場変動時には、感情的な判断で投資割合を変更してしまう場合がありますが、冷静な判断が大切です。
投資目標やリスク許容度に変化がない限り、大幅な変更は避けてください。定期的なリバランスは投資割合を維持するために有効です。急激に変更するのではなく、徐々に割合を変えていくと、リスクを抑えながら対応できます。
初心者に適した投資割合は?
初心者はリスクを抑えつつ、安全性を重視しながら投資に慣れましょう。預金や債券などの安全資産を60~70%、株式を20~30%、不動産投資信託などを10~20%に設定してください。株式の比率を20~30%程度に抑えると、市場の変動による影響を最小限に抑えられます。以下の点に注意が必要です。
- 分散投資を心がける
- 長期的な視点で投資する
- 定期的に少額ずつ積み立てる
- 投資に関する知識を継続的に学ぶ
急激な資産配分の変更は避け、ゆっくりと自身に合った投資スタイルを見つけましょう。
まとめ 基本はネット証券で投資割合も一元管理がおすすめ!


新NISAを始めたい人や証券口座をネット証券以外で開設している人にとって、適切な投資割合の設定はとても重要です。投資割合は個人の目標やリスク許容度、収支状況によって異なるので、慎重に検討しましょう。年代やライフステージに応じた投資割合の調整により、効果的な資産運用が可能です。
市場の変化に対応しながら、分散投資を心がけてください。NISA・iDeCoなどの税制優遇制度を活用すると、効率的な投資が可能です。定期的に投資割合を見直し、必要に応じた調整をおすすめします。初心者は保守的な割合から始めましょう。適切な投資割合と長期的な資産運用により、経済的な安定につながります。