4資産均等型ファンドが注目を集めていますが、最適な選択肢なのか迷う方も多いです。本記事では、4資産均等型ファンドの基本やデメリット、代替案を解説します。
記事を読めば、自分に合った投資方法を選択する際の判断材料が身に付き、より効果的な資産形成を実現できます。4資産均等型ファンドのデメリットを考慮し、全世界株式ファンドやREITを組み合わせた投資戦略を検討しましょう。
4資産均等の基本

4資産均等投資は、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券に25%ずつ投資する方法です。安定した運用が期待でき、初心者にもわかりやすい投資方法ですが、定期的な調整が必要です。国内外の経済状況をバランスよく反映しており、為替リスクも考慮されています。
4つの資産クラスの特徴
4つの資産クラスの特徴は以下のとおりです。
- 国内株式
- 日本企業の株式への投資です。日本経済が好調な時期には高いリターンが期待できます。一方、日本経済の変動に影響を受けやすいリスクも考えられます。
- 国内債券
- 日本国債や日本企業の社債への投資です。一般的に安定した利回りが得られますが、金利の変動によって価格が変わります。
- 外国株式
- 海外企業の株式への投資です。グローバルな経済成長のリターンを受けられますが、為替リスクや海外の政治経済リスクに注意が必要になります。
- 外国債券
- 海外の国債や企業の社債への投資です。国内債券よりも高い利回りが期待できますが、為替リスクや海外の金利変動リスクがあります。
投資にはリスクがつきものです。自分の投資目的やリスク許容度に合わせて、適切な資産配分を選びましょう。
4資産均等のメリット
4資産均等のメリットは、以下のとおりです。
- リスク分散効果
- 長期的な資産形成
- 市場変動への耐性
- 安定的なリターン
各資産クラスの特性を活かしながら、世界経済全体の成長を捉え安定したリターンが得られます。しかし、定期的な投資計画の調整が必要になるので注意が必要です。4資産均等投資は初心者でも始めやすく、資産配分の変更も簡単です。ただし、市場の状況によっては国内資産に偏る可能性もあるため、慎重に検討しましょう。
【失敗回避】4資産均等がダメな理由

4資産均等投資がダメな理由は以下のとおりです。
- 株式100%に比べてパフォーマンスが劣る
- 新興国市場の成長を取りこぼす可能性がある
- 信託報酬が他のバランスファンドより高い
- 純資産額が小さい場合のリスクがある
- 国内資産へ偏る可能性がある
4資産均等投資は、すべての人に最適な戦略とは限りません。投資目的や個人の状況に応じて、適切な戦略の選択が重要です。
株式100%に比べてパフォーマンスが劣る
4資産均等の投資戦略は、株式100%の投資に比べてパフォーマンスが劣る傾向があります。長期的なリターンの観点から見て、重要な問題点です。以下の理由でパフォーマンスが劣ります。
- 株式市場の上昇局面
- 債券部分の影響
- インフレ環境下
- 株式の成長性
株式100%の投資戦略と比較すると、4資産均等は過度な分散によってリターンが低くなる傾向があります。株式市場の長期的な上昇トレンドを十分に活用できないためです。リスク調整後のリターンでも、4資産均等は株式100%に劣ります。債券部分がリスクを下げる一方で、リターンも大きく抑制するためです。
長期的に資産形成を目指す投資家にとって、4資産均等戦略のパフォーマンスは懸念点です。若い投資家や、リスクを恐れない投資家には、株式100%の戦略が向いています。
新興国市場の成長を取りこぼす可能性がある

4資産均等の投資戦略の大きな弱点は、新興国市場の成長を逃す可能性がある点です。新興国市場は急速に成長しているにもかかわらず、4資産均等の投資では十分に反映されません。4資産均等が主に先進国の資産に焦点を当てているためです。
中国やインドなどの新興国経済は、先進国を上回るペースで成長しています。しかし、4資産均等の投資では、新興国市場が成長する恩恵を十分に受けられません。投資ポートフォリオ全体のパフォーマンスが制限され、先進国と新興国のバランスが取れていないからです。グローバル経済の変化に柔軟に対応できないのが弱点です。
信託報酬が他のバランスファンドより高い
4資産均等ファンドの信託報酬は、他のバランスファンドと比べて高めに設定されています。一般的に年率0.8%〜1.0%程度の信託報酬がかかるので、投資家の利益を減少させるため長期投資の際には注意が必要です。以下の影響が考えられます。
- 複利効果の減少
- 運用会社の利益優先
- 投資リターンの圧迫
年率1%の信託報酬が30年間続くと、投資額の約26%が失われる計算です。全体的な投資額を考えると無視できない金額です。一方で、単一資産のインデックスファンドでは、信託報酬が年率0.1%程度のファンドもあります。4資産均等ファンドを選ぶ際は、コストの違いを十分に考慮しましょう。
純資産額が小さいリスクがある

純資産額が小さい場合、投資家にとってさまざまなリスクが生じます。ファンドの運用効率や安定性に影響を与えるためです。以下のリスクが考えられます。
- 効率的な分散投資
- 取引コスト
- 流動性リスク
- 運用コスト
- ファンドの統合や償還
小規模なファンドでは、十分な銘柄数を保有できないことがあります。効果的な分散投資ができず、特定の銘柄や業種の影響を受けやすいです。取引コストについても注意が必要です。純資産額が小さいと、売買の際の手数料が相対的に高いので、投資家のリターンを圧迫する要因となります。
急激な資金流出が起きた場合、小規模ファンドは対応が難しいです。保有している資産を、不利な条件で売却せざるを得ない状況に陥る可能性があります。運用コストの面でも不利です。大規模ファンドと比べて規模の経済が働きにくく、コストが割高になる傾向があります。
小規模ファンドは統合や償還(※)のリスクが高くなります。長期投資を考えている投資家にとっては大きな問題です。リスクを考慮すると、純資産額の大きさは投資判断をするうえで重要な要素の一つになります。ファンドを選ぶ際は、純資産額にも注目しましょう。
※ 償還とは債券や投資信託などの満期を迎えた際に、投資家や受益者に対して金銭を返還すること
国内資産へ偏る可能性がある
4資産均等投資は、国内資産へ偏る傾向があります。世界経済における日本の位置づけと比較して、日本市場への過度な集中リスクを抱えることを意味しています。具体的な問題点は以下のとおりです。
- 日本株式市場
- 日本の債券市場
- 日本市場への投資比率
日本株式市場は世界の株式時価総額の約8%にすぎませんが、4資産均等では25%を国内株式に配分します。日本の債券市場も世界全体の約15%程度ですが、同様に25%を国内債券に配分します。結果として、日本市場への投資比率が実際の経済規模よりも大きいです。
4資産均等ではグローバル分散投資のメリットを十分に活かせません。世界経済における日本のシェアが低下傾向にある中、新興国市場の成長機会を逃す可能性が高いです。為替リスクを過度に回避する傾向があるため、海外資産からの収益機会を逃してしまいます。
国内資産への偏りを認識したうえで、自身の投資目標に合わせた資産配分を検討しましょう。
4資産均等の問題点を考慮した代替案

4資産均等配分の問題点を踏まえ、いくつかの代替案を検討します。
- 株式100%ファンドとの比較
- 全世界株式ファンドとの比較
- REITや新興国債券ファンドとの比較
リスク許容度や投資目的に応じて、最適なファンドを選びましょう。
» REITとは?初心者向けにメリット・デメリットを解説
株式100%ファンドとの比較
株式100%ファンドはリターンが高く、新興国市場の成長をより効果的に取り込めるメリットがあります。一方、4資産均等ファンドはリスクが低く、債券部分からのインカムゲイン(※)が期待できます。安定した収益を求める投資家には4資産均等投資が最適です。
株式100%ファンドを選ぶ場合は、自身でリスク管理をする必要があります。4資産均等ファンドは、株式と債券のバランスを自動調整でき、初心者でも扱いやすくおすすめです。
※ インカムゲインとは、資産を保有することで得られる収入のこと
全世界株式ファンドとの比較

全世界株式ファンドは、4資産均等ファンドと比較して世界中の株式市場に幅広く投資する方法です。広範囲な市場へ情報やリスク、対策案などを提供します。
全世界株式ファンドの主なメリットは、低コストで運用できることや単純な運用戦略で管理が容易なことなどが挙げられます。長期的には4資産均等ファンドより高いリターンが期待できます。しかし、全世界株式ファンドは為替リスクが高く、株式市場の変動に敏感です。4資産均等ファンドと比べてリスク分散効果が低いです。
一方、4資産均等ファンドは、リスク分散効果が高く、債券部分があるためインカム収入が期待できる特徴があります。長期的な成長を重視する場合は全世界株式ファンド、安定性を重視する場合は4資産均等ファンドが適しています。それぞれの特徴を理解し、自分の投資スタイルに合った選択が重要です。
REITや新興国債券ファンドとの比較
REIT(※)や新興国債券ファンドは、4資産均等型ファンドと比較してより高いリターンを期待できます。しかし、同時にリスクも高くなる傾向があるので注意が必要です。REITは不動産市場への分散投資を可能にし、インカム収益も期待できます。一方、新興国債券は高いリターンが魅力ですが、為替リスクや政治リスクが高いという問題点が挙げられます。
メリットは、より高いリターンの可能性とさらなる分散効果です。一方、デメリットにはボラティリティ(価格変動)の増加とポートフォリオの複雑化があります。REITや新興国債券を組み入れる場合は、適切な配分比率の決定が重要です。投資家自身のリスク許容度に応じて、資産クラスの組み入れを判断しましょう。
※ 投資対象先に不動産を組み入れられる投資信託のこと
幅広く資産運用ができるおすすめの証券会社3選
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4資産均等を選ぶ際の注意点


4資産均等投資を選ぶ際は、以下の点に注意が必要です。
- 資産配分の見直しとリバランス
- 投資目的に合ったファンド
- 過去の実績データ
- コスト
4資産均等だけでなく投資方法は市場環境の変化への柔軟な対応が重要です。リスクも十分に考慮して、適切な投資戦略を立てましょう。
資産配分の見直しとリバランス
資産配分の見直しとリバランスは、長期的な投資成功に欠かせません。定期的に行うことで、投資ポートフォリオのリスクとリターンのバランスを適切に保てます。年に1回程度の定期的な見直しや市場の変動に応じた調整、移動平均と価格の差と超えた場合のリバランスを見直しましょう。
リバランスを行うことで、過度なリスクの集中を防ぎ、市場の変動に合わせて最適な配分が維持できます。長期的な投資目標の達成をサポートするといったメリットもあります。しかし、リバランスにはコストがかかるので注意が必要です。取引手数料や税金の影響を考えましょう。
自動リバランス機能付きの商品を選ぶのも一つの方法です。手間をかけずに定期的なリバランスを行えます。投資環境の変化に応じて、資産配分比率自体の見直しも検討しましょう。長期的な視点で資産配分を考え、必要に応じて調整することで、より効果的な投資戦略を実現できます。
投資目的に合ったファンド


投資目的に合ったファンドを選ぶことは、長期的な資産形成において重要です。自分の目標や状況に合わせた適切なファンド選びで、より効果的な投資が可能です。長期的な資産形成を目指す場合は、4資産均等型のファンドが適しています。
高いリターンを求める場合は、株式比率の高いファンドを検討しましょう。安定的な収入を重視する場合は、債券やREITの比率が高いファンドを選びます。
自分のリスク許容度に応じて、株式と債券の比率を調整したファンドを選ぶことも大切です。投資期間に合わせたファンドの資産配分の検討で、より効果的な運用が可能です。
分散投資の観点から、複数のファンドを組み合わせることも考えられます。自身の投資スタイルや価値観に合ったファンドの選択で、長期的に続けやすい投資が可能になりました。
ファンドを選ぶ際は、運用会社の実績やファンドの運用方針も確認するのがおすすめです。総合的に判断することで、自分に最適なファンドを見つけられます。
過去の実績データ
過去の実績データは、投資判断を行ううえで重要です。ファンドの過去のパフォーマンスを分析して、将来の運用成果の予測に役立てましょう。以下の点に注目して過去の実績データを確認してください。
- 過去5年、10年、設定来のリターン
- 同カテゴリの他ファンドとの比較
- リスク調整後リターン
- 最大ドローダウン
- 各資産クラスのパフォーマンス推移
- 市場環境の変化に対する反応
過去の実績が必ずしも将来の運用成果を保証するものではありません。市場環境や運用方針の変更により、過去と同様の結果が得られない可能性もあるので注意が必要です。運用会社の実績や評判、目標指数に対する運用誤差、分配金の推移の状況なども確認してください。過去の情報を総合的に判断して、より適切な投資を選びましょう。
コスト


長期的な投資成果を最大化するために、コストは十分に考慮します。投資信託を選ぶ際は、信託報酬や手数料が低いファンドがおすすめです。コストを抑えるには以下の方法があります。
- 売買回数を減らす
- 長期投資を心がける
- ノーロードファンドを検討する
同じ資産配分のファンドでも、より低コストのものを探すことや、インデックスファンドを利用して運用コストを抑えることを意識しましょう。売買回数を減らして取引コストを最小限に抑えることや長期投資を心がけ、短期的な売買による手数料を避けることも重要です。
ノーロード(販売手数料無料)のファンドを検討するのも一つの方法です。低コストのファンドでは、運用成果をより上げやすくなります。コスト以外にも、運用会社の規模や実績も考慮し、総合的に判断しましょう。
» 株と投資信託の違い|メリット・デメリットを把握して選ぼう!
【ギモンを解決】4資産均等に関するよくある質問


4資産均等投資に関する疑問や懸念について、よくある質問をまとめました。
4資産均等は本当に悪い選択?
4資産均等投資は、必ずしも悪い選択とは言えません。投資家の目標やリスク許容度によって、適切さは変わります。分散投資の方法として有効で、長期的な安定性を重視する投資家には適している可能性があります。株式100%の投資よりもリスクが低く、安定した運用が可能です。
しかし、高いリターンを求める投資家には不向きな面もあります。資産配分を固定化してしまうと、市場の変化に応じた柔軟な対応ができず、機会損失の可能性があるためです。4資産均等投資を選択する場合は、以下の点に注意が必要です。
- 定期的な見直しとリバランス
- 投資スタイルや目標との適合性
- 市場変化への柔軟な対応
4資産均等投資が良いか悪いかは、個人の投資目標やリスク許容度によって異なります。自分に合った投資方法を選びましょう。
初心者に4資産均等は向いてる?
4資産均等投資は、シンプルで理解しやすいので初心者には向いてる投資方法です。初心者が投資を始めるメリットは以下の点が挙げられます。
- リスク分散
- 投資の基本学習
- 運用管理の簡便性
リスク分散が図りやすく、投資の基本を学びやすいのが特徴です。運用管理が比較的簡単なため、初心者でも取り組めます。長期的なパフォーマンスが株式100%の投資に劣る可能性があるので、注意が必要です。初心者はまず4資産均等から始めて、投資の基本を学ぶのがおすすめです。
4資産均等を始めてから、他の戦略への移行も検討できます。定期的な見直しとリバランスを忘れず行いましょう。コストや純資産額などのデメリットも考慮して、慎重な判断を心がけてください。4資産均等投資は、初心者にとって良い出発点ですが、長期的には個々の状況に応じた調整が必要です。
まとめ 4資産均等型の真実を知り、最適な資産運用を始めよう!


4資産均等投資は、一見シンプルで魅力的な投資戦略に見えますが、実際にはいくつかの問題点があります。パフォーマンスの低さや新興国市場の成長機会の逃失、高い信託報酬などが主な理由です。初心者にとっては簡単な選択肢ですが、長期的には他の戦略をおすすめします。
全世界株式ファンドや株式100%ファンドなど、より効果的な代替案があります。投資を始める際は、目的やリスク許容度に合ったファンドを選びましょう。
過去の実績やコストも考慮が必要です。資産配分の定期的な見直しとリバランスを行うことで、より効果的な運用ができます。4資産均等投資には課題がありますが、投資戦略を立てることで、より良い結果を得られる可能性が高まります。