REITとは?少額から始める不動産投資信託のメリットとリスク

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REIT(リート)の名前は知っているけど、どのような投資商品なのかはわからないという方は多くいます。REITは少額から不動産に投資できる投資信託です。高い分配金が期待できる一方で、さまざまなデメリットもあります。デメリットを理解したうえで、適切な投資判断をするのが大切です。

この記事では、REITの概要とメリットやデメリットを解説しています。記事を読めばREITの概要がわかり、自分に合った投資が可能です。リスクを抑えた資産運用ができるようになるので、REITに興味のある方は参考にしてください

目次

REITとは不動産に投資する投資信託

REITとは、不動産に投資できる投資信託です。投資家から資金を集めて不動産を購入し、賃貸収入や売却益を分配金として還元します。REITの概要を、以下のポイントに沿って解説します。

  • REITの歴史と背景
  • REITの仕組み
  • REITと現物不動産投資の違い

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REITの歴史と背景

REITは1960年にアメリカで導入されました。一般投資家が、少額で不動産に投資できる機会を提供するためです。REITは商業不動産を中心に運用されていました。次第にさまざまな不動産資産に投資するようになり、リスク分散が可能になりました。透明性を高める仕組みもあるため、安心して投資ができます。

2001年に初めて日本版REIT(J-REIT)が登場しました。日本で最初のJ-REITは、日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステイト投資法人です。J-REITの誕生により、日本の投資家も不動産に投資できるようになりました。

REITの仕組み

REITは投資家から資金を集めて不動産を購入し、運用益を分配します。投資家は少額からの投資も可能です。運用はプロが行うため、投資家は不動産を管理する手間が省けます。REITは証券取引所に上場しており、株式のように売買が可能です。

不動産の賃貸収入や売却益は、分配金として投資家に還元されます。分配金には税制上の優遇措置があり、税負担を軽減できます。REITはさまざまな不動産に分散投資できるため、低リスクで投資できるのも魅力的です。

REITと現物不動産投資の違い

REITと現物不動産投資は、投資方法や管理負担、流動性に違いがあります。REITは市場で簡単に取引できるため、流動性が高いです。REITの不動産はプロが管理しているため手間がかかりませんREITと現物不動産投資の違いを以下にまとめました。

項目REIT現物不動産投資
投資対象上場不動産ファンドが所有する複数の不動産物理的な不動産(アパート、マンション、商業施設など)
投資方法株式を購入不動産物件を購入
投資額比較的少額から投資可能大額な資金が必要
流動性株式のように売買が容易売却に時間がかかり、価格変動が大きい
管理負担運営会社が管理自分で管理が必要
分配金不動産収入に基づいて分配金が支払われる不動産収入を直接受け取る
税金配当金には所得税がかかる不動産所得には所得税がかかる
リスク不動産市場の変動リスク
運用会社の経営リスク
不動産価格の変動リスク
空室リスク
レバレッジ基本的にレバレッジは使わない住宅ローンの利用でレバレッジが可能
専門知識不要(投資信託と同じ感覚)物件選定や市場動向の知識が必要
REITと現物不動産投資の違い

現物不動産投資は売却に時間がかかるため、流動性は低いです。初期投資が大きくなりがちなので、リスクを分散できない場合もあります。現物不動産投資は、すべて自分で管理する必要があります。うまく行ったときのリターンは大きいので、自分に合った投資手法を選択するのが大切です。

REITのメリット

REITに投資するメリットは、以下の2つがあります。

  • 分配金利回りが高くなる
  • 少額から投資できる

分配金利回りが高くなる

REITへの投資は、分配金利回りが高いのが特徴です。REITは法律によって、不動産収益の90%以上を分配するよう義務付けられています。投資家は定期的に分配金収入を得られます。

不動産市場の景気が良くなれば、分配金も増加する可能性が高いです。景気が良い時期には賃料が上がり、不動産収益も増えるからです。不動産収益が増えれば、分配金も増えます。インフレ時には、不動産価値が上昇するパターンが多いです。不動産の運営効率化も、分配金利回りの向上につながります。

少額から投資できる

REITは少額からでも、不動産への投資が可能です。REITは小口化された投資商品だからです。数万円から投資を始められるので、高額な不動産を購入する必要がありません。少額投資によってリスク分散がしやすく、初心者でも安心して投資ができます。

REITを通じて、複数の不動産への分散投資も可能です。定期的に分配金を受け取れるため、安定した収入源としても期待できます。

REITのデメリット

REITに投資するデメリットは、以下のとおりです。

  • 配当控除が適用されない
  • 投資法人の倒産リスクが否定できない

配当控除が適用されない

REITの分配金には、配当控除が適用されません。REITの分配金は配当金ではなく、投資信託の収益分配金として扱われるからです。配当控除が適用されないので、税制上の優遇措置を受けられません。REITの分配金は、他の所得と合算して課税されます。

株式投資の配当金には配当控除が適用されるため、税制優遇が受けられます。REITの分配金は、源泉徴収税(所得税15.315%+住民税5%=20.315%)の支払いが必須です。確定申告をすれば、状況に応じて税額の控除が可能です。

投資法人の倒産リスクが否定できない

REITには、投資法人の倒産リスクがあります。REITは不動産市場の変動に、大きく影響を受けるからです。市場が低迷すると物件の価値が下落して、投資法人の資産価値も損なわれます。物件の空室率が上がると収益が減少するため、倒産リスクが高いです。テナントが契約を解除した場合、収入が大きく減ります。

金利が上昇すると、経営が困難になる場合があります。借入金の返済や資金調達にコストがかかるからです。経済状況の悪化も、倒産する要因の一つです。景気が低迷すると不動産需要が減少し、物件価値や賃料収入が低下します。自然災害の影響で、倒産に追い込まれる場合もあります。

【投資対象別】REITの種類と特徴

REITの投資対象は複数あり、それぞれの特徴を理解して投資することが大切です。REITの投資対象は、以下の6つがあります。

  • 住宅REIT(マンション)
  • オフィスREIT(オフィスビル)
  • 商業REIT(商業施設)
  • ホテルREIT(ホテル)
  • 物流REIT(物流施設)
  • ヘルスケアREIT(ヘルスケア施設)

住宅REIT(マンション)

マンションやアパートなど、住宅物件に特化して投資するのが住宅REITです。住宅REITは、安定した家賃収入が期待できます。需要の高い都市部の物件に投資すれば、収益が安定しやすいからです。住宅REITは、安定を求める投資家に人気があります。

地域経済や住宅ローン金利、住宅政策に影響を受けやすいので注意しましょう。災害リスクもありますが、分散投資でリスク管理がしやすいため、初めての不動産投資におすすめです。

オフィスREIT(オフィスビル)

オフィスREITは、オフィスビルを運用対象とするREITです。都市部のビジネスエリアに位置する物件が多く、安定した収益が見込めます。テナントの契約期間が長いため、長期的な収益が見込めます。複数のテナントが入居すればリスク分散が可能です。大手企業が長期間契約を結ぶケースも多く、賃貸収入が安定します。

収益性に大きく影響するのが物件の場所と質です。都心の一等地にあるオフィスビルなら、高い収益を上げられます。物件のメンテナンスやリノベーションは重要です。賃料の上昇や空室率の低下につながります。頻繁にメンテナンスをしておけば、物件価値を維持しながら高い収益を確保できます。

オフィスREITへの投資は、リスクと収益のバランスを取るのが重要です。

商業REIT(商業施設)

商業施設に特化しているのが商業REITです。ショッピングモールや商店街のような、大型商業施設に投資します。賃料収入を収入源としており、安定したキャッシュフローが期待できます。テナントのリニューアルで価値が上昇するのも、商業REITの魅力です。

小売業の景気動向に影響を受けやすいのが、商業REITのデメリットです。小売業が不調になると、賃料収入が減少します。テナントの契約期間が短いため、空室リスクもあります。リスクを理解したうえで、慎重な投資判断が必要です。

ホテルREIT(ホテル)

ホテルREITは、宿泊施設やリゾート施設に特化しています。観光業の景気に左右されやすいのが特徴です。海外旅行者の増減や観光地のイベント、季節が収益に大きく影響します。ホテルの稼働率や宿泊料金の変動も、収益に直結する要因です。

高稼働率のホテルは高収益が期待できますが、景気変動の影響も大きいです。分散投資をしておけば、リスクを軽減できます。ホテルREITは新型コロナウイルスの影響を大きく受けましたが、観光業の回復とともに収益も改善傾向にあります。

物流REIT(物流施設)

物流REITは、物流施設が投資対象のREITです。電子商取引(Eコマース)の拡大に伴い、物流施設の需要が増加しています。大手物流企業やネット通販業者が、主なテナントです。長期契約が一般的なので、長期的に収益が安定するのが特徴です。

物流REITは、物流の重要拠点や都市部近郊に立地しているため、物流効率を高められます。施設の管理コストが低い点も、大きな特徴です。倉庫や配送センター、フルフィルメントセンターが施設に含まれています。物流最適化技術の導入により、効率的な運営が可能です。

ヘルスケアREIT(ヘルスケア施設)

ヘルスケアREITは、医療機関や介護施設、シニア住宅に投資するREITです。高齢者人口の増加により、需要が増しています。ヘルスケア施設は長期契約が一般的なので、長期的に安定した収益が見込めます。

政府の医療政策や介護報酬の影響を受けるリスクもあるため、注意が必要です。特定の地域や施設に依存しがちな点も、リスク要因の一つです。リスクを理解したうえで、投資判断をする必要があります。

【地域別】REITの種類と特徴

REITを地域別に分けると、以下の3種類があります。

  • 国内REIT
  • 海外REIT
  • グローバルREIT

国内REIT

国内REITは、日本国内の不動産が投資対象です。複数の不動産セクターに投資できるメリットがあります。不動産セクターを分けて投資すると、リスク分散が簡単にできます。投資できる不動産セクターは、以下のとおりです。

  • オフィスビル
  • 商業施設
  • 住宅
  • 物流施設

国内REITは、分配金が四半期ごとに支払われるのが特徴です。分配金の利回りが高く、安定した収益が期待できます運用コストも低いので、効率の良い資産運用が可能です。流動性が高いため、簡単に売買できますが、日本国内の景気や不動産の影響を受けやすいです。

税制面での優遇措置や投資家保護の仕組みが整っているため、投資初心者でも安心して投資できます。東京証券取引所に上場しているREITは、透明性が高く信頼できます。

海外REIT

海外REITは、海外の不動産市場への投資が可能です。さまざまな国に投資ができるため、リスク分散ができますが、為替リスクがある点には注意が必要です。国ごとに不動産市場の動向や税制、規制が異なるため、投資する際は市場分析を徹底的にする必要があります。

アメリカの不動産市場に投資すれば、高い収益性が期待できます。海外の金利動向や、為替の変動を考慮するのが重要です。投資信託やETFで、簡単に購入できる場合もあります。さまざまな投資戦略を持っておけば、リスク分散に役立ちます。

グローバルREIT

グローバルREITは、複数の国や地域の不動産に投資するREITです。地理的なリスク分散効果が見込めます。投資対象は多岐にわたるため、特定の地域や業種に依存しないのが特徴です。世界的な経済成長の恩恵を受けられるのも、大きなメリットです。

為替の影響で、収益が安定しない場合もあります。円高が進行すれば、海外不動産からの収益が減少する可能性が高いです。海外資産全般に共通するリスクなので、覚えておきましょう。グローバルREITは各国の不動産市場を学ぶ必要があるため、情報収集が難しいです。

REITに関するよくある質問

REITに関するよくある質問を集めました。REITへの投資を検討している方は、参考にしてください。

REITと投資信託の違いは?

REIT(不動産投資信託)と投資信託は、扱う資産の種類や運用方法が違います。REITは不動産に特化して投資をします。REITは不動産の賃貸収入や売却益が収益源です。一般的な投資信託は株式や債券のような、さまざまな資産クラスに分散して投資します。

初心者がREITに投資する際の注意点は?

投資初心者がREITに投資する場合、以下の点に注意が必要です。

  • 分配金の安定性が高いかどうか
  • 管理費用が低いかどうか
  • 安定した運用実績があるかどうか
  • 情報提供が充実しているかどうか

分配金の安定性が高いREITは市場の変化に強く、安心して投資を続けられます。管理費用を抑えられれば、自分が得られる利益が増えます。信頼性の高いREITを選びたい場合、運用実績を確認しましょう。運用実績があれば、投資リスクを抑えられます。初心者向けの情報が充実しているのも重要です。

まとめ

REITは不動産に特化した投資信託です。少額から不動産に投資できる気軽さが魅力で、高い分配利回りが期待できます。投資する際はメリットやデメリットを理解したうえで、適切なリスク管理をしておくのが大切です。

REITは、現物不動産投資と比べて管理の手間が少なく、少額での分散投資ができます。幅広い投資家にとって魅力的な選択肢の一つです。

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