投資信託は、少額から始められる手軽さから人気の投資方法です。しかし、投資信託には知っておくべきデメリットもあります。手数料の高さや元本保証がないことなど、初心者が陥りやすい落とし穴も多いです。
この記事では、投資信託はおすすめしないと言われる理由や、向いていない人の特徴を詳しく解説します。記事を読めば、自分に合った投資方法を選べます。
【簡単】投資信託の基本的な仕組み

投資信託は、複数の投資家から集めた資金を運用する金融商品です。専門家であるファンドマネージャーが投資先を選定し、株式や債券、不動産などに分散して投資します。個人投資家では難しいリスク分散が可能です。
» 投資信託とは?特徴から始め方まで解説
投資家は投資信託を購入し、口数に応じて分配金を受け取れます。プロのファンドマネージャーが運用するため、投資の知識や経験がなくても始めやすい点が魅力です。
投資信託はおすすめしないと言われる理由

投資信託はおすすめしないと言われる理由は以下のとおりです。
- 手数料が高い
- 元本保証がない
- 運用の透明性が低い
- 短期間での利益が見込めない
- 商品選びが難しい
投資信託にはデメリットがあり、投資家の不利益になる可能性があります。
手数料が高い
投資信託には複数の手数料があり、利益を圧迫する要因です。投資信託にかかる主な手数料は次のとおりです。
- 購入時手数料
- 信託報酬
- 解約手数料
1,000万円を投資した場合、年間1~2%の信託報酬だと10~20万円の費用がかかります。長期投資では手数料の影響が大きく、利益が目減りする可能性があります。
元本保証がない

投資信託は元本保証のない金融商品です。市場の変動により、投資した金額が減少するリスクがあります。リーマンショック時には、多くの投資信託の価格が急落し、50%以上の損失を被った商品もありました。
元本割れのリスクは常に存在し、投資家は自己責任で損失を負担する必要があります。安全性を強く重視する方には向かない投資方法です。
運用の透明性が低い
投資信託は運用会社がファンドの中身を決定するため、個人投資家が運用内容を詳細に把握するのは困難です。運用報告書などで情報開示はされますが、日々の売買や保有銘柄の詳細は明らかにされません。
透明性の低さは、投資家が適切な判断を下すことを難しくします。ファンドのパフォーマンスが悪化した際、原因を特定したり改善策を考えたりすることも困難です。
短期間での利益が見込めない

投資信託は長期的な資産形成を目的とした商品であり、短期間で大きな利益は見込めません。分散投資により安定性を重視するため、急激な値上がりは期待できません。
投資信託の年間リターンが10%だったとしても、個別株式の中には同期間で100%以上株価が上昇する銘柄もあります。短期的な利益を求める投資家にとっては、物足りない結果になる可能性が高いです。
商品選びが難しい
商品選びが難しい具体的な理由には、以下が挙げられます。
- 商品数が多すぎる
- 運用方針の違いがわかりにくい
- 手数料体系が複雑でわかりにくい
- 過去の成績が将来を保証しない
2023年6月末時点で、日本の投資信託は5,923本あります。専門知識がなければ、自分に合った商品を見つけるのは困難です。誤った選択をすると、期待通りのリターンが得られない可能性があります。
【失敗回避】投資信託をおすすめしない人

投資信託をおすすめしない人は以下のとおりです。
- 資金に余裕がない人
- 自分で投資銘柄を選びたい人
- 短期的利益を求める人
- リスクを極力避けたい人
投資信託はすべての方に適しているわけではありません。
資金に余裕がない人
投資信託は余裕資金で行うべきです。生活に必要な資金や緊急時の備えがない状態での投資は避けましょう。急な出費に対応できず、不利なタイミングで解約を迫られる可能性があります。
目安として、最低でも半年分の生活費を貯金として確保しておくべきです。余裕資金がある場合に、初めて投資を検討しましょう。資金に余裕がない状態で投資すると、精神的なストレスも大きいです。
自分で投資銘柄を選びたい人
投資に積極的に関わりたい方や、自分で銘柄を選びたい方には投資信託は向いていません。
具体的な理由は次のとおりです。
- プロが運用する仕組み
- 個別銘柄の選択ができない
- 売買のタイミングを決められない
- 運用方針の変更ができない
投資信託では、運用のプロが銘柄選択や売買タイミングを決定します。自分の判断で投資戦略を立てたい方には、個別株式投資やFX取引などが適しています。
短期的利益を求める人

投資信託は長期的な資産形成に向いていますが、短期的な利益を求める方には不向きです。株式投資と比べて、大きな値動きが少ないため、短期間で高いリターンを得るのは困難です。
投資信託の月間騰落率が最大で5%程度のとき、個別株式では同期間に20%以上株価が上昇することも多いです。短期的な利益を求める方にとっては、投資信託の値動きは物足りなく感じます。
リスクを極力避けたい人
投資信託は元本保証がなく、市場の変動によって損失が発生するリスクがあります。リスクを極力避けたい方には向いていません。
安全性を重視する方には、次の選択肢がおすすめです。
- 普通預金
- 定期預金
- 国債
- 財形貯蓄
定期預金は元本割れの心配はありません。国債や社債、地方債などもおすすめです。ただし、超低金利環境では、インフレに負ける可能性もあります。リスクと利益のバランスを考慮し、自分に合った資産運用方法を選ぶことが必要です。
初心者におすすめしない投資信託の特徴

初心者におすすめしない投資信託の特徴は以下のとおりです。
- 手数料が高い投資信託
- 毎月分配型の投資信託
- 特定分野に集中投資するテーマ型投資信託
- 銀行が強くすすめる投資信託
リスクが高かったり、仕組みが複雑だったりするため、慎重に選びましょう。
手数料が高い投資信託
投資信託を選ぶ際は、手数料に注意する必要があります。高い手数料は運用成績を圧迫し、長期的な利益を減少させる要因となるからです。初心者が気をつけるべき手数料には購入時手数料や信託報酬、信託財産留保額があります。
購入時手数料は、一般的に0~3%の範囲内ですが、3%を超えると高いと判断しましょう。信託報酬は年率で計算され、通常0.3~1.5%程度です。1.5%を超えると高いと言えます。信託財産留保額は0~0.5%が一般的で、0.5%以上になると高いと判断可能です。
年率2%の信託報酬がかかる投資信託に100万円を投資した場合でシミュレーションします。毎年2万円が費用として差し引かれるので、10年間保有すると手数料だけで20万円以上が失われます。手数料の水準をよく確認し、自身の投資目的に合った商品を選択することが大切です。
毎月分配型の投資信託
毎月分配型の投資信託は、月々の収入を得られる点で魅力的に見えますが、初心者には危険な面があります。元本が目減りする可能性が高く、運用成績が悪い年でも分配金を出すために元本を取り崩す場合があるからです。分配金には税金がかかるため、実質的な手取り額が減少します。
複利効果も得にくいため、長期的な資産形成には不向きです。運用成績が悪化しやすい傾向があり、投資元本が減少し続ける可能性もあります。10,000円で購入した投資信託が、運用の結果9,500円まで下がっても、50円の分配金が支払われる可能性が高くなります。
» 複利を理解しよう!簡単な計算と効果を最大化する方法
特定分野に集中投資するテーマ型投資信託

テーマ型投資信託は、特定の産業や技術に焦点を当てた商品です。初心者にとってはリスクが高く、注意しなければなりません。
主な特徴は次のとおりです。
- 特定分野への集中リスクがある
- 市場動向の影響を受けやすい
- 値動きが激しい
- 長期的な成長性がわかりにくい
2000年前後のITバブル崩壊時には、多くのテクノロジー関連の投資信託が大幅な損失を被りました。特定のテーマに偏ることで分散投資の効果が薄れ、リスクが高まります。初心者は、幅広い分野に分散投資する商品を選ぶ方が安全です。
銀行が強くすすめる投資信託
銀行の窓口で積極的にすすめられる投資信託には注意が必要です。銀行側の都合ですすめる場合が多く、必ずしも顧客にとって最適な商品とは限りません。
以下の問題点が考えられます。
- 手数料が高い場合が多い
- 銀行の利益が優先される
- 商品の選択肢が限られる
- 運用実績が見えにくい
金融庁の調査によると、銀行で投資信託を購入した人の約半数が損失を被っています。初心者は、銀行の勧誘に安易に応じるのではなく、独自に商品を比較検討することが重要です。低コストのインデックスファンドや、ネット証券の商品なども視野に入れましょう。
投資信託のメリット

投資信託のメリットは以下のとおりです。
- 少額から投資できる
- 分散投資が可能
- 専門家に運用を任せられる
投資信託にはデメリットだけでなく、魅力的な特徴もあります。メリットを理解して、自分に合った投資方法を選択しましょう。
少額から投資できる
投資信託の大きな魅力は、少額から始められる点です。最低投資額が低く設定されており、多くの場合100円から投資を始められます。毎月の積立投資も可能で、月々1,000円程度から始められるサービスも多いです。少額でも複数の銘柄や資産に分散投資できるため、リスクを抑えながら投資を始められます。
大手ネット証券では100円から投資信託を購入でき、月々1,000円程度の積立投資から始めることも可能です。全世界株式インデックスファンドなどに投資すれば、少額でも世界中の数千社に分散投資できます。
分散投資が可能

投資信託の大きな特徴は、1つの商品で多数の銘柄や資産に投資できる点です。
分散投資のメリットは次のとおりです。
- リスクが低い
- 安定したリターンが期待できる
- 幅広い投資機会がある
- 運用の手間が少ない
全世界株式インデックスファンドに投資すれば、世界中の数千社に分散投資できます。個別投資では難しい、広範囲への分散が簡単に実現できます。市場全体の動向に連動するため特定の銘柄の影響を受けにくく、安定した運用も可能です。
専門家に運用を任せられる
投資信託の魅力的な特徴の1つに、金融の専門家に運用を任せられる点があります。投資初心者や時間的制約のある方にとって大きなメリットです。専門家による運用では、投資家自身が深い専門知識を持つ必要がなく、日々の市場動向を追う時間も節約できます。
プロの運用者は最新の市場動向に対応し、適切なリスク管理を行います。経済指標の変化や企業業績の予想、地政学的リスクなどの複雑な要因を総合的に分析し、投資判断を下すことが可能です。個人投資家では実現が難しい高度な投資戦略も、専門家は実行できます。
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投資信託を選ぶ際のポイント


投資信託を選ぶ際は、以下の重要なポイントがあります。
- 投資目的と目標金額を明確にする
- 手数料を比較する
適切な商品を選んで、投資の成功確率を高めましょう。
投資目的と目標金額を明確にする
投資を始める前に、目的と目標金額を設定することが重要です。投資の方向性が決まり、適切な商品選びにつながります。
投資目的と目標金額を設定する際に大切なポイントは次のとおりです。
- 長期的な資産形成が目的か
- 定期的な収入が必要か
- 目標金額はいくらか
- 投資期間はどのくらいか
老後資金として2,000万円を20年で貯めたいなどの目標が具体的になると、月々の積立額や必要利回りが計算できます。目標が明確になれば、目標に見合う投資信託を選びやすいです。定期的に進捗を確認し、必要に応じて計画を見直しましょう。
手数料を比較する
投資信託を選ぶ際は、手数料の比較が重要です。高い手数料は、長期的な運用成績に大きな影響を与えます。
主な手数料と一般的な水準は次のとおりです。
手数料の種類 | 一般的な水準 | 低コストの目安 |
---|---|---|
購入時手数料 | 0~3% | 0~1% |
信託報酬(年率) | 0.3~1.5% | 0.5%以下 |
信託財産留保額 | 0~0.5% | 0% |
年率0.5%と1.5%の信託報酬の差は、20年間で約20%の運用成績の差につながります。低コストのインデックスファンドを選ぶことで、長期的なリターンを改善できる可能性が高いです。商品を比較する際は手数料を確認し、総合的に判断しましょう。
まとめ 投資信託は選び方次第で超優良な投資先になる!


投資信託はおすすめしないと言われる主な理由は、手数料の高さや元本保証のない点、商品選びが難しい点などです。投資信託は、少額から始められて分散投資が可能な一方で、手数料や運用の透明性に課題があります。自分の投資目的やリスク許容度を考慮し、慎重に商品を選ぶことが重要です。
初心者は、低コストのインデックスファンドから始めましょう。投資は長期的な視点で行い、定期的に見直すことで効果的な資産形成につながります。自分に合った投資方法を選んでより豊かな生活を目指しましょう。
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